ディヤルバクルのスル郡ではPKKのテロリストによる襲撃に怯える住民らが相次いで自宅を放棄している。今日は、外出禁止令が発令されていない地域の世帯もスル郡を捨てた。避難民となったD.Aさんは「自宅を放棄して避難せざるを得なかった」、H.Gさんは「私たちは塹壕など望んでいない。家も仕事も失い私の家族はばらばらになった」と語った。
ディヤルバクルのスル郡では、テロ組織PKKの構成員による襲撃の被害を受けている家族が自宅に別れを告げている。
スル郡では12月11日以降、ジェヴァトパシャ、ファーティフパシャ、ダバンオール、ハスルル、ジェマル・ユルマズ、サヴァシュの各地区でテロリストが堀った塹壕を埋めてバリケードを撤去し、手製の爆弾を廃棄するための外出禁止令が適用され、作業が続いている。また昨日からはアブダルデデ、アリパシャ、 ラーレベイ、スレイマン・ナズィフ、ズィヤ・ギョカルプも外出禁止地区に加わった。
アブダルデデ、アリパシャ、ラーレベイ、スレイマン・ナズィフ、ズィヤ・ギョカルプの各地区に暮らす世帯は、テロ組織による強制を受けて昨日、地区を離れた。また、外出禁止が適用されていないイスケンデルパシャ地区の近親者に身を寄せていた住民も、持てるだけの家財とともに市街の別の郡へ移った。
■外出禁止地区外の住民も避難
一方で、外出禁止令の適用されていないイスケンデルパシャ、ジャーミケビル、ジャーミネビの各地区に暮らす世帯も、不安から自宅を離れ始めている。
■「塹壕いらない」
テロからの避難民H.Gさんは、かつて暮らしていたダバンオール地区から着の身着のまま逃げ出すしかなかったと明かし、現在もイスケンデルパシャ地区に暮らす友人が引っ越すのを手助けしているという。
H.Gさんは、スル郡に残る親族も全員自宅を離れざるを得ないと話し、テロリストを批難。「塹壕など掘らず、爆弾を仕掛けなければ政府も禁止例を出したりしない。奴らは私たちの家を破壊する。私たちは塹壕など望んでいない。自宅も仕事も失い、私の家族はばらばらになった」と語った。
■「苦労して手に入れた自宅の周りに爆弾を仕掛けた」
D.Aさんはテロ組織により自分たちが被害を被っていることについて抗議を示し、「苦労して手に入れた自宅の周囲に爆弾を仕掛けている。自宅を放棄し避難することを迫られた。アッラーはお見捨てになりませんように。兄弟よ、私たちは貧しく、飢え、路上にいる」と語った。
また、E.Dさんはアリパシャ地区にある自宅から家財を持ち出すことすらできず避難したとクルド語で訴えた。E.Dさんは取材の際、現在は路上で暮らしており、一刻も早く避難できる家が必要だと語った。
同地区を離れる際、ある市民は、外出禁止令を理由に県を非難するグループに対し、「彼らにも『路上に何かご用ですか?人々を虐げているのですか?』と尋ねるといい。すぐやってきてうちのそばに塹壕を掘り爆弾を仕掛けるだろう」という表現を用いて反意を示した。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:39823 )