アンカラ軍車両テロの自爆犯の行動、明らかに
2016年02月20日付 Hurriyet 紙


トルコ国民の心を痛めつけたアンカラでの襲撃事件の実行犯であるサリフ・ムハッメド・ネッジャル被疑者が、「テロ」までどのような道筋を辿ったのかが明らかとなった。アンカラでそれぞれ異なる日付に4回にわたって監視カメラにその姿を捉えられた実行犯の車両は、ディヤルバクルからアンカラへ2回行き来していることが判明している。2枚のナンバープレートを使用していたこの車両には、ディヤルバクルで爆弾が積み込まれており、起爆装置はアンカラで用意されたとみられている。

アンカラで28人の犠牲者を出したこのテロ事件で、軍送迎車両を標的に爆弾を積み込んだ車両で自爆攻撃を行ったサリフ・ムハッメド・ネッジャル被疑者は、イスラム国によるコバーニーへの襲撃後である2014年7月に難民らとともにカムシュルからトルコへ入国していたことがわかった。その後幾度かにわたり出入国を繰り返していたとされるネッジャル被疑者は、最後に2015年7月8日にマルディン県ヌサイビンより国境門を通過していることが判明した。ネッジャル被疑者は、ガーズィアンテプ県の難民管理局に難民登録の申請を出していた。指紋や個人データを採取されたネッジャル被疑者へは、生体認証カードが付与されていた。

■爆弾はディヤルバクルから

TNTやRDX、ディーゼルなどを混合して作られたこの爆弾は、テロ組織内の爆弾専門部隊によってディヤルバクルで車両に積載されたことがわかった。道中で爆発する危険性をなくすため、起爆装置はアンカラで設置されたとみられる。実行日の2時半頃にアンカラに到着した自爆犯の車両は、爆弾を積んだ状態で16時間にわたり首都アンカラの各地で目撃されていた。

■2枚のナンバープレートを使用

このテロに使用された車両に関しても、詳細な検証が行われた。フォルクスワーゲンのシロッコモデルであるこの車両には、2枚の異なるナンバープレートが付けられていたことが判明した。この車両にはまず「34KK0340」というナンバープレートが、そしてアンカラに入ってからは「06FB3157」というナンバープレートが付けられていたという。イズミルでレンタルされたことがわかっているこの車両に関して、警察には2016年1月11日に「盗難被害」の届け出が出されていた。この車両は、イスタンブルやボル、アンカラ、カイセリ、そしてディヤルバクルでも監視カメラに姿を捉えられている。爆弾を積んだこの車両は、爆発の瞬間に兵士や市民らが乗車していた送迎車両と、その道路沿いに建つ軍用住宅に向かって突進していったことがわかっている。突進したこの自爆車両は、軍用住宅に入り込む直前で街路樹にぶつかり停止していたことが判明した。ヒュッリイェト紙に対して情報提供してくれたある情報筋は、「自爆犯の車両がもし軍用住宅に到達していたら、この惨事はより大規模なものとなっていた可能性がある」と話した。

■9人が未だ捜索中

警察本部(EGM)は、破壊活動を行うテロ組織が大都市で爆弾を搭載した車両や爆弾を用いた活動を行うために、国外のキャンプ地で爆弾や自爆テロの訓練を受けたテロリストらが行動に移り始めていることに注目し、81の県で各県警に警告書を発令した。この警告書の中では、「これによるとPKK(クルディスタン労働者党:非合法組織)やKCK(クルディスタン社会連合)といったテロ組織は、自爆テロや爆弾を使用した攻撃に利用する兵士らをトルコへ送り込んでいる」と記載されている。

また、警告書には以下のような文章も記載された。「行われた諜報活動では、これらの兵士の内9人が1月にトルコへ非合法な手段で入国しており、彼らは自爆テロや爆弾を使用したテロ攻撃に向けて組織から指示が出るのを待機している。」テロリストらがトルコに潜んでおり、偽造身分証を用いて大都市に入り込んできていることも併せて記述された。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:39885 )