とき(ザマン紙)が、止まる
2016年03月05日付 Hurriyet 紙


管財人に委任されたザマン紙で昨日(4日)大混乱が起こった。管財人が(新しいスタッフによる)新聞発行の準備のため連れてきたチームは、ザマン紙社員が前日の夜全てのコンピューターシステムにロックを掛け、このためシステムにログインできなかったと主張した。チームは、パスワードを破れず新聞社を後にした。外では警察の介入があった。

 イスタンブル県共和国検察庁の要求に従って、簡易刑事裁判所によって管財人が任命されたザマン紙を支持するため集まった人々は、機動隊の催涙弾とゴム弾による介入にさらされた。新聞社にやって来たものの中に入れなかったアブデュルハミト・ビリジ総編集長とトゥデイズ・ザマン紙(ザマン紙の英語版)のビュレント・ケネシュ記者は、雇用契約が管財人によって破棄されたと説明した。多くの女性を含む数百人が、支援のため同紙のイェニボスナ(イスタンブル・バフチェリエヴレル)にあるビルの前に集まった。

 23時15分頃、群衆に、歩道とビルの前を空けるようアナウンスが行われた。群衆が退かなかったため、23時25分に2台の暴動鎮圧装甲車(TOMA)とともに色のついた放水砲によって介入が行われた。新聞社の庭で待機していた人々も、催涙ガスと放水砲で解散させられた。その後、ザマン紙を含むフェザ・メディア・グループにイスタンブル第6簡易刑事裁判所の判決によって任命された管財人のセザイ・シェンギョニュル氏、タフスィン・カプラン弁護士、メティン・イルハン弁護士が、警察とともに新聞社に入った。私服警官が捜査を行う一方、管財人に反対し警察と議論になった一部の社員の入館証が没収された。

■警察の封鎖

 夜、管財人が来た後人払いされたザマン紙の周辺や庭に、多数のTOMAと警察車両とともに反対運動の可能性に備えて警察のバリケードが築かれた。社員らは警察が身元確認を行った後建物内に入れられ始めた。外に集まっていた、「自由な報道は黙らせられない」というモットーを手に「誰もが黙ってもザマン紙は黙らない」というスローガンを叫んで管財人に抗議する群衆に、警察は立ち退くよう警告した。群衆が解散しなかったため、警察は、催涙ガスで介入した。警察の介入の後、群衆は路地に入り込んで散開した。

■コンピューターにロック

 新聞社のインターネットは遮断され、コンピューターのネットワークも切断された。昨日(4日)新聞社に行った社員らは、コンピューターを開いてシステムにログインすることができなかった。ザマン紙のwebサイトzaman.com.trとジハン通信のwebサイトcihan.com.trへのアクセスも妨げられた。ジハン通信の報道と写真の接続は14時以降妨害された。管財人が新聞発行の準備のため伴ってきたチームは、社員が前の晩管財人が来る前に全てのコンピューターのシステムをロックし、このためシステムにログイン出来ないと主張した。チームは昨日の夜までコンピューターのパスワードを解除しようとしていたが、達成できず、新聞社を後にした。

■ビリジ総編集長は中に入れず

 警察は、4日昼頃、ザマン紙にやってきたアブデュルハミト・ビリジ総編集長とその弁護士をビルに入れさせなかった。ビリジ編集長は、ビルに入れさせない旨の指示を書面で提示するよう求めた。ハサン・ギュナイドゥン弁護士は、中に入れない理由に関して記録を取ることを求めた。任にあたっていた警察は、ビリジ総編集長の雇用契約が破棄されたことを彼らに伝え、中には入れないと述べた。

■反応

 トルコ新聞記者協会:逮捕や拘束、インターネットアクセスの妨害や重い罰金刑によってメディアを沈黙させようとする考え方、また今管財人の手で新聞とテレビの中身を空っぽにして無くそうとしている。政権に対し、気に入らない見解を主張する報道機関に介入することで、何千人ものメディア関係者の失業の原因となっていることをも認識すべきだ。

 トルコ新聞記者労働組合(TGS):ザマン紙に対する管財人の任命によって報道の自由と法、良心は再び踏みにじられた。イペキ・メディア・グループを管財人によって掌握し閉鎖した政府は、今回はフェザ・メディア・グループに管財人を任命し、昨日無理やり経営を掌握した。トルコが、野党の声に耳を傾けず批判を受け入れない警察国家となる道を進むことは、民主主義に深い傷を開けている。この反民主主義的な行為に対し、我々はザマン紙社員とともにあることを宣言する。

 トルコ新聞記者連盟(TGF):もう一度警告する。反対派と呼ばれる出版組織に存在する権利を与えない国には、自由はない。自由のない場所では民主主義もないのだ。このためトルコには自由だけではなく、民主主義も危険に晒されている。

■アメリカ大使:懸念している

 ジョン・バス在アンカラ・アメリカ大使は、ザマン紙のビルの前で警察がデモ参加者に介入したことを、「懸念を持って見ている」と述べた。バス大使は、ツイッターの公式アカウントで、次のように説明した。「ザマン紙の報道過程に管財人による介入が行われたことに関する報道に強い不快感を持っている。委任に抗議する人々に対し催涙ガスとゴム弾が使われたことに関する報道も懸念をもって見ている。もちろん、法的なプロセスには敬意が払われるべきである。しかし、自由なメディアと法に則った判決の重要性にも平易が払われるべきである。」

■世界のメディアはこう報じた

 ビルト紙(ドイツ):警察の催涙ガスによる介入を示す写真を使用し、「イスタンブルで報道の自由はこう見られている」というタイトルを載せた。

 ヴェルト・アム・ゾンターク紙(ドイツ):ザマン紙への介入が、ヨーロッパがトルコとの移民危機に関する合意に向けて動いている時期と同時期に起こったと指摘し、ドイツ議会外交委員長である与党CDUのノルベルト・レットゲン氏の言葉を載せた。

 デイリー・テレグラフ紙(イギリス):イスタンブルで裁判所がザマン紙に管財人を任命する判決を下し、この状況を「懸念を深刻化させている」と説明した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:39990 )