最高指導者、「抵抗経済」を「実行」するための10の処方箋を発表~年頭演説で(4)
2016年03月20日付 Jam-e Jam 紙
イスラーム革命最高指導者はこうした「特殊な考え方」が招くさまざまな側面について説明した後、その「病理学」に話を進め、次のように指摘した。
こうした考え方で無視されているのは、アメリカとの合意はいかななるものであれ、イランは自らの約束を果たさざるを得ない一方で、アメリカは自らの約束の履行に不実で、欺瞞とインチキに満ちている、という事実である。このことは今やそのままの形で目にすることができるし、それはまさに〔イランにとって〕「まったくの害悪」である。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はこのことを証明する中で、核合意を例に挙げ、「この合意でも、アメリカは自らが約束したことを履行しなかった。尊敬すべき外務大臣の言を借りれば、彼らは紙の上では合意を履行したものの、行動においては、さまざまな抜け穴を用いて、約束の実現を阻害してきたのである」と述べた。
師はさらに、「核合意があるにもかかわらず、いまだに我々の金融取引には困難が付きまとっており、イランの資金も還っていない。なぜなら西洋諸国ならびにその影響下にある国々は、アメリカを恐れているためだ」と続けた。
イスラーム革命最高指導者は偽りの「二者択一」を指摘する議論で無視されているもう一つの問題として、「なぜアメリカはイラン国民に対して敵意を抱いているのか、その理由と根拠」の問題があると強調し、次のように述べた。
「イランが地域で有している戦略的な位置」、「豊富な石油・天然ガス資源」、「人口の多さ」、「豊富な才能」、そして「古き歴史」に目を向けるならば、イランは「地域の薔薇」である。しかしまさにこの比類なき国は、何十年もの間、アメリカのかぎ爪の中、支配下に置かれていた。そしてイラン国民はイスラーム革命によって、問答無用のアメリカの支配から国を解放させたのである。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「イスラーム革命はイランをアメリカの手から解放したのみならず、アメリカの支配に対する抵抗の精神を、地域、さらには地域の外にまで拡大させたのである」と付け加えた。
師はさらに、次のように指摘した。
アメリカは、「拡大版中東(Greater Middle East)」〔※ブッシュ政権が従来の「中東」という地域区分を拡大させて、アフガニスタンなどを含める形で設定した新たな地域区分のこと〕の確立政策や、シオニスト体制による地域の支配が失敗に終わり、イエメンやシリア、イラク、パレスチナなどでも失敗を重ねたことの主要な原因はイラン・イスラーム共和国にあると考えている。彼らのイラン国民に対する敵意が根源的で深いのは、そのためである。彼らの敵意が終わるのは、彼らがイランにおける自らの支配権を復活させたときであろう。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は続けて、「イギリス、そしてアメリカがイランを長期にわたって支配した」ことの原因について話を進め、次のように述べた。
英米はこの国で塹壕を築き、それを通じて、自らの支配を可能にした。しかし革命的な青年たちの手によって起こされたイスラーム革命はこの塹壕を破壊し、イスラーム共和国と国民の利益を守るための新たな塹壕を築いたのである。
つづく
この記事のつづきはこちら
( 翻訳者:AS )
( 記事ID:40124 )