最高指導者、「抵抗経済」を「実行」するための10の処方箋を発表~年頭演説で(5)
2016年03月20日付 Jam-e Jam 紙
イスラーム革命最高指導者は、「アメリカは現在、〔綿密な〕計画を練り、外交という手段を用いて、かつて破壊された塹壕を修復し、革命という塹壕を破壊しようと企てている」と指摘し、さらに「専制的で偶像崇拝的なパフラヴィー体制は、アメリカがイランで築いたもっとも重要な塹壕だった。しかしイスラーム革命は、王政を、そして〔モハンマド・レザー・シャーによる〕個人的支配体制を根こそぎ破壊し、その代わりに《人民主権》という名の堅固な塹壕を築いたのである」と述べた。
師はアメリカをはじめとする大国への恐怖もまた、〔列強による〕支配をもたらす塹壕の一つであるとした上で、「偶像崇拝時代とは異なり、イスラーム共和国では意識や知識が高く、宗教的価値観に依拠している者は、誰一人としてアメリカを恐れてはいない」と指摘した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、今日でも一部の者はアメリカを恐れているかもしれないと指摘しつつ、「偶像崇拝者〔=モハンマド・レザー・シャー〕がアメリカを恐れたのは、合理的であった。なぜなら、アメリカに相対する際の支えとなるものがなかったからだ。しかしイスラーム共和国では、アメリカを恐れることは非合理的である。なぜなら、イスラーム共和国には偉大なるイラン国民という支えがあるからである」と付け加えた。
師はアメリカが〔イランを〕支配した際のもう一つの手法として、「自信のなさを植え付け、国民的自信の精神を破壊したこと」を挙げ、「革命の勝利によって、支配をやすやすと受け入れるこの塹壕は、《われわれにはできる》という偉大なる塹壕へと変貌を遂げたのである」と述べた。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は「政治からの宗教の分離」もまた、アメリカがイランを支配するために築いた塹壕であるとし、「イスラーム革命はこの塹壕も破壊した」と付け加えた。
イスラーム革命最高指導者は演説の続きで、敵という言葉で自らが明確に意図しているのは「アメリカ」のことだとし、次のように付け加えた。
アメリカの政治関係者、そして同国の財務省は特殊かつ複雑な手法で〔イランに対する〕制裁を事実上維持し、敵意をむき出しにして、制裁するぞと脅し文句を言っている一方で、ホワイトハウスはハフトスィーン〔※イラン正月の飾りの一種〕をならべ、〔オバマ大統領の〕子供だましのノウルーズ・メッセージの中で、我が国の若者たちの雇用を心配したりしているのである。
師はさらに、「アメリカ当局がこうした裏腹な行動を取っているのは、彼らが聡明なるイラン国民のことをいまだに理解していないからである。知性に富んだこの国民が、自分たちの敵が陰に陽に有している目的や手法をしっかりと理解しているということを、彼らは知らないのだ」と指摘した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「我々は他のあらゆる諸国民と同様、アメリカ人民を問題視しているわけではなく、同国の敵対的な政策に抵抗しているだけだ」と明言した上で、国が進むべき正しい道とは何かを教えてくれる、さまざまな現実について語った。
革命最高指導者が最初に指摘したのは、「内発的躍進を実現するのに十分な、豊富な天然資源や人的資本・可能性の存在」、「国際社会におけるさまざまなチャンス」、「地域、さらにはときに世界に対して有している影響力」などの現実である。
師が次に指摘したのは、「イラン国民、そしてイスラーム体制に対してアメリカが有している明らかな敵意」という現実である。アメリカが〔イランへの〕脅しを繰り返し、イランが核合意の成果を享受しようとするのを邪魔立てしようと絶えず試みていることなどが、その明らかな証左である。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、次のように付け加えた。
アメリカ大統領選挙まであと数ヵ月を残すのみとなっているが、選挙に立候補している者たちは互いに、イランへの悪言で競い合っている。その一方で、次期政権が核合意というちっぽけな約束すら守るのかどうか、保証はないのだ。こうしたことを踏まえて、アメリカの敵意について指摘すると、国内にいる一部の者は取り乱してしまうのである。
つづく
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( 翻訳者:AM )
( 記事ID:40125 )