アンカラの諸大学で学生衝突、真の原因は試験期間?
2016年04月01日付 Cumhuriyet 紙
首都アンカラの諸大学での緊張は収まらない。アンカラ大学で今朝、学生たちの間で口論が始まったが、それは刃物や半月刀を使った喧嘩へと発展した。
騒動を鎮圧するためにジェヴェジ・キャンパスへと入った機動隊は、騒動の当事者らに代わりに、試験を受けることを望む学生を拘束した。各キャンパスにて行われた鎮圧行動では、19人の学生が実力行使によって拘束され、ここ2カ月アンカラ大学で拘束された学生の人数は60人を超えた。
ハジェテペ大学では先週、ナイフなどの刃物が用いられた騒動で3人の学生が負傷したが、諸大学におけるその後の緊張はアンカラ大学へと移った。朝、アンカラ大学法学部に集まった右翼の学生が、イスタンブル裁判所で殺害されたメフメト・セリム・キラズ検事の1周忌で、「犠牲となったキラズ検事に敬意を」と書いたプラカードの下で待機し始めた。学部キャンパスで学生たちの間で始まった口論は、プラカードを掲げた学生がもつ刃物や半月刀を使って脅迫を行ったことで騒動と化した。騒動による怪我人はいなかったが、一連の事件の後、機動隊が大学内に入って学生を鎮圧した。一連の事件の影響でキャンパス内の試験が1日中止され、延期された。
■騒動ではなく、試験を妨害
機動隊ははじめ、事件の起こった法学部キャンパスに入って学生を拘束し始めた。鎮圧はこれに留まらず、事件が沈静化したがキャンパス全体に広がった。法学部キャンパスの後、警官隊の鎮圧二番目の箇所はコミュニケーション学部(ILEF)キャンパスだった。ここ数週間、キャンパスで鎮圧が行われたILEFの前にバリケードを設置した機動隊は、建物から誰一人として出ることを許さず、学部キャンパスに入って捜査を続けた。大学が試験期間であったため教室は混雑しており、学生は建物の廊下で警察による鎮圧に立ち会うこととなった。キャンパスで実施された鎮圧では、2人の学生が試験室の前で拘束されたことで、騒動は大規模なものになった。記者・ラジオ・映画専攻の多くの学生が、事件を動画に収めようとして拘束された。警察はここの後、政治学部(SBF)キャンパスに向かい、鎮圧行動を続けた。キャンパスにおいてなされた鎮圧で、総勢19人が拘束され、長時間を経たのちに、学部キャンパスの前に近づいたTOMA、使用されたガス爆弾、それにプラスチックの弾丸が注意を引いた。
■研究者を特定
事件の顛末について本紙に話した学生たちは、機動隊の指揮官らが声を出して彼らを挑発し、また同じ指揮官らが「ならず者だ、お前たちみんなを捕まえる。誰もここにとどまらない。解散せよ」と言ったと述べた。多くの学生は事件がどのように始まったか理解しておらず、学部キャンパス内に入って捜査を行う警察の姿を見て驚いていた。多くの研究者は、鎮圧行動と、学生をこのような形で拘束したことが違法であることを述べようとしていたが、 警察はこれを手荒く扱った。事件の後に大学に来た学生は、大学入口で待っている警察がカメラを使って警備員に見せている写真の中から、研究者を特定しているのを目撃したという。
■学部長に抗議
警察による鎮圧行動が終わった後、学生と研究者はSBFの会議場に集まった。教授と学生は事件について検討を行い、キャンパスにおいて体系的に行われた鎮圧行動に対して何ができるかについて議論した。鎮圧行動の後、学生を助けるためにキャンパスに来た共和人民党(CHP)のシェナル・サルハン議員、ムラト・エミル議員、メ フメト・ギョケル議員、チェティン・アルク議員、ネジャティ・ユルマズ議員、ネフィ・カラ議員が、会議に参加した。サルハン議員はCHPの議員を代表して 「我々はあなたたちを支援する準備ができている。ファシズムに対して、共に肩を組んで抵抗する」と述べた。会議場では、会議の途中に来たSBFのセルピル・サンジャル学部長に対して抗議を行い、学部長の退任を要求した。サンジャル学部長は、学部執行部が、学生のためにできる限りのことをしており、鎮圧行動は大学長の許可を得たものであって、大学で起きた事件の鎮圧は政治的な目的をもって行われたものだと自分たちを擁護した。
■学部長にもガス攻撃
学生の標的となったSBFのセルピル・サンジャル学部長は、事件に関して声明を出し、学部キャンパスで教育をどのように続けていくかの議論のため、 SBF教育委員会を2016年4月1日15:00の会議に召集した。サンジャル学部長は、[言語・歴史・地理学部がある]ジェベジ・キャンパスで行われた鎮圧行動について次のように述べ た。
「本日、2016年3月31日木曜日、SBFにて最終試験のための予備試験を行っていたところ、法学部キャンパスにて学生たちの間で争いが起こり、それを予防する目的で キャンパスに入った機動隊が、問答無用で何度もSBFの中にも入り、学生たちを刺激するような言動・行動を行った。さらに後には、キャンパスの敷地内にいた学生たちに建物内に入るように強制し、仲裁に入った教員に攻撃を加え、私もそこで状況を把握しようとしていた際に、自らが学長であることを明かしたにも関わらず、私を標的にしたのかそうでないのかはわからないが、私のいた場所にガス弾が投げられた。投げられたガスは建物の中、特に学部長室の階に充満した。このため、多数の職員、学生、教員(私も含む)が体調不良となった。」
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:40184 )