アメリカで共和党サウスカロライナ州上院議員のリンゼー・グラハム氏は「トルコ人は、クルド人民防衛隊(YPG)をPKK(クルディスタン労働者党;非合法)と似た組織だと考えている。私は上院で何度も、イスラム国に勝つため、YPGを利用する戦略は何の役にも立たないだろうと主張した。この戦略では、イスラム国を壊滅させることはできない」と述べた。
「私は上院で何度も、イスラム国に勝つため、YPGを利用する戦略は何の役にも立たないだろうと主張した。」上院の「タカ派」を率いる議員のうちの1人であるグラハム氏は、アメリカ議会でトルコを含む中東を訪問した際の印象をジャーナリスト達に伝えた。
グラハム氏は、トルコ訪問中に訪れたシリア人難民の保護施設について、「今まで見てきた中で最も良い難民キャンプだ」と評価した。また、このキャンプにいる難民のほとんどが、バッシャール・アサド大統領に反感を持っていると強調した。
グラハム氏は、自由シリア軍が訓練され、イスラム国の手中にある地域が奪還され始め、アサド政権に対し圧力を加え最終的に勝利するシナリオを考えているとしても、避難民の行く末は不確かである、と言及した。
「この避難民らはどこへ向かうのか?」という質問に対しグラハム氏は、シリア内にいるアサド政権支持者が行く安全な場所がないと指摘した。また、「したがって、我々は最悪の悪夢を見ることになるだろう。この問題について我々は十分考慮していない。勝利は、ほかの避難民の問題も生むだろう」と述べた。
■「YPGを利用してもイスラム国は倒せない」
「さらに、私はトルコ訪問中、我々のシリア戦略に対する懸念を目の当たりにした。トルコ人はYPGをPKKと似た組織だと考えている。私は上院の軍事委員会で何度も、イスラム国に勝つため、YPGを利用する戦略は何の役にも立たないだろうと主張した。この戦略では、イスラム国を壊滅させることはできない。この戦略はテロ組織を弱らせているが、問題を次の指導者に残してしまっている。」
グラハム氏は、トルコが現在のアメリカの戦略ではイスラム国を壊滅させることはできないと考えていると主張し、「(トルコ人は)シリア内で訓練をうけているクルド人部隊が後々国境で問題を起こすのではないかと大いに懸念している。彼らが我々のシリア政策のせいでどれほど不安を感じているのか、あなた方に説明できないほどです」と述べた。
同氏は、中東地域のエジプト人、サウジアラビア人、そしてトルコ人は、シリアがイランの「衛星国家」に向かっていると考えているとし、ロシア、イラン、アサドに関するアメリカの戦略は、アサド政権の利益にしかならず、地域で永続的な紛争を引き起こしていると述べた。
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( 翻訳者:福永千夏 )
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