トルコ・イラン首脳会議、意見の相違明確に
2016年04月16日付 Hurriyet 紙

タイイプ・エルドアン大統領とイランのハサン・ロウハーニー大統領との会談では、両国の見解の相違が強調された。ロウハーニー大統領が小さな見解の相違は当然だとした一方で、エルドアン大統領は、「見解の相違を最小限に抑えることを何よりも優先する」として、「地域で流される血を止めることについて我々は同意見だ」と述べた。

イスタンブルで行われたイスラム機構総会に参加した後、アンカラを訪れたイランのハサン・ロウハーニー大統領は、16日、タイイプ・エルドアン大統領と会談した。エルドアン大統領はこの来賓を、大統領官邸の公式式典で迎えた。2人の首脳会談の後、トルコ・イラン第三高等協力会議の会合が行われた。2人の首脳はその後共同記者会見を開いた。エルドアン大統領は記者会見で、要約して以下のように述べた。

■関係を発展させていく

「トルコ・イランの関係をより良くするため、我々は開発省のジェヴデト・ユルマズ大臣と、イランのヴァーエズィー通信情報技術大臣に任務を与えた。今後のプロセスにおいては、彼らが政治、交通、経済、文化、観光などあらゆる分野での二国関係を確認し、我々にこれら取組みの結果を報告してくれるだろう。近年、トルコとイランの関係は、残念ながら後退の一途だ。22億ドルを超えるほどだった貿易額は、残念ながら経済制裁の結果、約10億ドルに落ち込んだ。第一段階として、これを30億ドルにしたい。今後の様々な方策でこれが実現できると信じている。」

■宗派批判

「この会談で、相互投資を増やす方向での強い意思を確認した。トルコ・イラン関係上で実業家が貿易、運輸、関税または別の分野で障害に直面する時代を終わらせることについて、我々は協力状態にある。互いの関係を強めるために必要なことはすべて行う点で同意した。

我々の地域を揺さぶるテロリズムと宗派主義の問題、これらに派生して起きた人道上の問題を克服するために、我々は協働する必要がある。シリアとイラクを初めとする中東地域で流れる血と、危機を止めるために、必要な活動を我々の国が先導しなければならない。今回、ロウハーニー大統領と互いの見解を共有する機会を得た。トルコとイランの間で、地域的な問題について見解の相違があることは事実だ。地域で流れる血を止めることが必要だという点で我々が同意見であることを嬉しく思っていることも伝えたい。地域の進展を宗派的な目線で扱うことは全く役に立たず、逆に破壊的な影響をもたらすという点で、我々は近い見解を持っている。」

■国土の一体性

「テロとの闘争では特に国際協力が必要であり、テロに対し、良いテロリストと悪いテロリストの区別はなされ得ないという考えを我々は共有している。喜ばしいことに、シリアとイラクで国土と政治的な一体性が絶対に守られることについても、我々は一致した見解の中にある。政治的対話を強化することによって、互いの見解の相違を少なくしていくことが、何よりも両国の利益になるだろう。地域での問題に外からではなく、内側から解決策を打ち出すことで、速やかに結果に結びつくだろうと信じる。我々は中東地域の2つの重要な国として、この問題にといて重大な責任があると自覚している。」

■ロウハーニー大統領:「死を止めなければならない」

記者会見でイランのロウハーニー大統領は、「国境は固定されていなくてはならない。我々は分裂をどの国においても容認せず、国家の独立を強調する。死と戦争は一刻も早く止められなければならない。どんな人物の名の下であったとしても、いかなる形であったとしても、我々は真剣にテロと戦わなければならない」と述べた。
ロウハーニー大統領の発言は以下のように要約される。
「この会談で、我々はこの組織の優先事項として3つの重要な目的を明らかにした。一つ目はムスリム女性のイスラム社会での役割と高い地位を世界に知らせること。残念ながらイスラムはこの話題において不当な扱いを受けており、世界中で誤解されている。二つ目は、テロとの闘争だ。三つ目はイスラム世界の一体性である。イスラム世界の一体性と各宗派が互いに歩み寄ることもとても重要だ。我々の身分は宗派では無く、イスラムである。トルコと協力しながら、この3つの目的を達成したい。一国の未来と運命は、その国の人が決める。我々はこの点において同意見である。ひとつの国の未来を、外国が決めるなどということはあってはならない。僅かな点で我々にはおそらく違いがあるだろう。異なる考えを持っているだろう。これもまたとても自然なことだ。しかし我々は、より多くの対話とより多くの協力を行う準備ができている。」

■温かく親身な共同声明

会談後に発表された共同の声明では、要約すると以下のことが強調された。
「会談は良い意図と、共有の視点が持たれ、温かく親しみのある雰囲気のなか実現された。両者は地域の発展について、人々の法的な権利、要望、期待にかなうよう、地域の治安の脅威を政治的な解決方法で取り除けるように、2国間、あるいは多国間での協議を続けることの重要さを強調した。そして、シリアとイラクの国土と政治の一体性保持を重要視することを確認した。また、個人、団体とその派生組織によって行われるテロ攻撃を強く非難し、テロとの戦いにおいて協力を進めていく必要を強調した。」

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:40281 )