ブルサ・ウルジャーミー前でで女性自爆、犠牲者はなし
2016年04月28日付 Hurriyet 紙
ブルサにおける歴史的建造物で有数の観光地の一つ、ウル・ジャーミィにおいて27日に発生した自爆攻撃に関する最新情報が入った。
女性テロリストがバスターミナルにいるところをとらえた映像が公開された。また、周囲の警察官を見てパニックに陥った自爆犯が、鞄に入れていた爆弾を炸裂させた可能性が濃厚となっている。シャンルウルファからバスを利用してブルサに入り、ブルサ近郊で爆発物を入手したこともわかった。バスの乗車券の名前欄には「スルタンさま」と書かれていたという。今回の攻撃に関しては15名が拘束されており、警察はISやPKKとの関係を調べている。
ブルサで起きた今回の自爆攻撃について明らかになった最新情報をお伝えする。
27日、ブルサの歴史的建造物で有数の観光地であるウル・ジャーミィを自爆の脅威が襲った。ウル・ジャーミィでは午後の礼拝の後に葬式が行われていた。葬式の雑踏が散った後、庭の西側の門の近くに来た一人の女性が、身に着けていた爆弾を炸裂させたのだ。自爆犯は死亡した。自爆攻撃から一夜明け、事件についての最新情報が明らかになってきた。
■「つまずいた、もしくはパニックになった」という見方
自爆犯は現場でつまずいて転び、爆弾が入った鞄を人ごみの中へ投げ入れようとしていたのではないかという見方が広まっている。ウル・ジャーミィの近くまでタクシーに乗ってきた自爆犯は、周囲にいた警察官を見てパニックに陥り、鞄の中の爆発装置を起動したと見られている。最初の発見によると、爆発物には硝酸 アンモニウムが使用されていた。
■シャンルウルファからブルサまではバスを利用
女性自爆犯の検死は、ブルサ法医学協会死体公示所で行われた。爆発でばらばらになった遺体は昨日、検死が済んだあとDNA鑑定のためイスタンブル法医学専門法廷へ送られた。女性テロリストの身元はブルサ警察による指紋鑑定でも明らかになっておらず、現在も捜査が進められている。
■バスでは20番シートに座っていた
自爆テロリストは4月23日、シャンルウルファからブルサまでのバスでは20番の席に座っていたという。ブルサへは18:00頃到着し、都市間バスターミナルで降りたことがわかっている。
■アパートの一室で滞在
バスを降りた後、彼女は市バスに乗ってメルケズ・ニリュフェル郡の学生街、ギョルクレ街区にあるアパートの一室で一人の人物と滞在していた。ブルサで4日間滞在し、犯行のために偵察をしていた彼女は27日、爆発現場近くまでタクシーで乗り付けた。アタテュルク通りにあるモスク付近でタクシーを降りた自爆犯は、20メートルほど歩き、ウル・ジャーミィの門があるカパル・チャルシュへつながる通りで事件を発生させた。
■タクシーを利用
テロリストは、ブルサ付近のどこかで爆発物を受け取ったとされている。警察は自爆テロに関連して27日夜、4つの郡で同時捜査を行った。事件が発生したブルサのほか、シャンルウルファ、イスタンブル、アフィヨンカラヒサルで行われた捜査では、一夜にして15名が拘束された。警察は、拘束者の数は増えるだろうとしている。
■乗車券には「スルタン」と書いてある
テロリストはバスの乗車券を買う際、「スルタン」という偽名を用いていた。また、ブルサにおける捜査で拘束された人物の隣の席に座っていたという。
■カメラの映像が公開された
İHA(イヒラス・ニュース・エージェンシー)が入手した情報によると、ブルサのウル・ジャーミィで自爆した女性が、バスターミナルの防犯カメラに映っていたという。映像では、市外からブルサへやってきた自爆犯が、共犯者のいるギョルクレのある地名の名をタクシー運転手らに見せているところがとらえられていた。鞄を携え、住所を書いた紙を運転手に不安げな様子で見せる女性の姿が注意を引く。その後、運転手は女性を乗せてギョルクレへと走り去った。女性は 25歳ほどで、頭にはスカーフを巻いていた。
■爆発現場
爆発が起きた現場が注目を集めている。なぜならブルサの中心部で、一日中混雑している場所だからだ。爆発が起きたのも、葬式の礼拝が行われている時だと言われている。爆発の後、モスクの向かいにある店の窓は割れ、ショーウィンドウの破片と商品は散乱していた。モスクにいた市民も、おびえながらウル・ジャーミィから避難した。
■知事「テロリストは一人」
ミュニル・カラオール・ブルサ県知事は昨夜、記者たちの質問に答えた。
「テロリストは3人いるという噂がありますが」という質問に対し、「いいえ、テロリストは一人だけです。そういう話は、爆発の中で混乱した市民たちが出てきたもので、私たちが確認しているのはただ一人です。しかし検証作業はまだ続いており、新たな展開があればまたお知らせします。分析は続いています。」
■エルドアン、報告を受ける
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は昨夜、ブルサでの自爆テロ攻撃についてエフカン・アラ内務相から報告を受けた。大統領府によると、エルドアン大統領はクロアチアのザグレブに滞在中で、アラ内務相から電話で報告を受けたという。負傷した国民に対して神の癒しを祈ったエルドアン大統領は、国内の平和に向けてテロとの戦いを強い意志をもって遂行することの重要性を強調した。
■「背後の組織について強い証拠がある」
エフカン・アラ内務相は、今回の爆発に関してトルコ全体で15人を拘束したことを明らかにした。アラ大臣は、「背後の組織がどんなものであろうとも、我々は強い証拠をつかんでいます。組織についての情報が確定したら発表致します。トルコ全体で15人を拘束しました。どの県で拘束されたかについて今は言えません」と述べた。
■手には袋をもっていた
女性テロリストが手に黒い袋をもっていたという情報も流れている。警察から入手した最初の情報では、爆弾は女性の身体に巻きつけてあったということだった。自爆犯は、爆発によってバラバラになった。昨夜、爆発の後、自爆犯の身元と関わった組織の特定のため、自爆犯の指紋が採取された。
■県内では3か月で78人が逮捕されている
警察がブルサで行ったここ3か月のテロ捜査で拘束された者たちのうち、78人が逮捕されている。ブルサ県庁への報告によれば、ISの活動が予定されているという情報も入った。シリアから市内に入ったトルコ人を特に厳重に追跡しているという。
(中略)
■「とても大きな音を聞いた」
爆発現場付近の商店街に店を構えるヤヴズ・クルチさんは、爆発の時に店の前にいたという。とても大きな音を聞いたというクルチさんは「店の前が一瞬で塵まみれになりました。仕事仲間と右往左往しながら状況を理解しようとしました。私たちのいた場所にはレストランが並んでいましたが、そこにいた女性や子供は 爆発のショックで泣きはじめました。非常に怖がっていました。何が何だか、瞬時にはわかりませんでした」と語った。
クルチさんの店は爆発現場の近くだが、商店街の中にあったために被害を免れたという。
「爆発現場にある店舗は、店の正面を壊され、窓が壊されていました。店の中にいたお客にも、軽いけが人が出ました。爆発現場に店がある店長はショックを受けていました。怪我をかばいながら店から出てくる人たちもいましたが、怪我で起き上がれない人はいませんでした。けが人は、爆発の衝撃で割れたガラスで怪 我をした人たちです。」
「モスクの周りにいた人たちはパニック状態でした。こんなことを経験したのはまるで初めてだったので、何をしていいかわかりませんでした。モスクでは葬式 の礼拝が行われていたので、最初のうちからモスクの外に出ている人はいませんでした。葬式礼拝の前に出ていた人はいたかもしれませんが。(爆発のあとは) 外に出たいという人がいましたが、2回目の爆発に備えて警備員の方々が止めていました。」
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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:40351 )