欧州連合(EU)の内務理事たちは首脳会合で、ヴィザ免除措置の保留を容易にする制度を承認した。決定期間を一ヶ月に引き下げる新規定は、近く欧州議会に承認のために提出される。
EUの内務理事会で加盟国は、ヴィザ免除措置の保留制度のための新規定を承認した。「緊急事態用ハンドブレーキ」として知られるこの制度はヴィザ免除措置の保留制度の範囲を広げる一方で、これの実施期間も短く簡略化する。新規定によると、ヴィザ免除措置を受ける国が送還受け入れ合意を適切に遂行できない場合、またはEU加盟国のいずれかが多くの移民と難民申請に直面した場合、ヴィザ免除措置を受ける国の国民がEUに滞在する期間を超過した場合に、ヴィザ免除を保留することができる。決定は近く、欧州議会に承認のために提出される。
■最終手段ではなくなる
西バルカン諸国にヴィザ免除を行った後、EUは2013年の件の規定に「ヴィザの安全保障条項」を付け加えた。この条項は、EU加盟国のいずれかが不法移民、難民申請、もしくは第三国に行った送還受け入れの申請の拒否により大きな増加に直面する場合に、欧州委員会に短期間ヴィザ免除措置を保留する権限を与えていた。グルジア、ウクライナ、コソヴォと特にトルコのヴィザ免除プロセスが始まった後、新しいハンドブレーキシステムが話題に上がった。20日に可決した新規定は、このプロセスを「より柔軟な」状態にした。現在の規定はヴィザ免除措置の保留制度を「予想だにしない状況での最終手段」として行使できるものとみなしていた。この条文は新規定にて外される。
■6ヶ月が2ヶ月に
新制度により基準の実行の有無を、EU委員会が観察する。EU加盟国はヴィザ免除を認められている国に関し問題を確認した場合、委員会にみずから報告することができる。委員会は、それを評価し、ヴィザ免除が保留するかどうかについて1ヶ月の間に決定しなければならない。
現在の規定ではこの期間は3ヶ月間だ。また新規定は、ヴィザ免除措置を保留する前の、難民申請の増加もしくは滞在期間の違反などの問題が増加したかどうかに関しての確認期間を、6ヶ月から2ヶ月に引き下げる。数値上の高さ[の判断]については前年の同じ時期(の数値)に基づかれる。
現在の規定は、不法移民、難民申請、送還受け入れ請求の拒否の数字について「急激かつ重大な」増加であるいう条件をつけていた。新規定では「重大な増加」で十分となる。
■「トルコは基準に対応しなければならない」
欧州委員会移民・内務担当のディミトリス・アヴラモプロス委員は記者会見で、「トルコについてもう一言いいたい。このことについて多くの問いがあるからだ」と述べた。委員はトルコにも他の全ての国同様に72の基準の達成を期待していると強調した。アヴラモプロス委員は、 一昨日トルコとEUとの間での送還協定により設けられた「共同送還委員会」に関する法律が官報に掲載されたことに触れ、これはトルコが約束を守ったことを示していると述べた。また、トルコは「キーパートナー」であると述べた。トルコ政府が72の基準の中に含まれるにも関わらずテロ法を変更しないと発表したことを記者たちが質問すると、オランダのクラース・ディジコフ司法移民大臣は、基準が達成されない場合は、ヴィザ免除措置は行われないと言及した。
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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:40520 )