TEMA財団、自然喪失に警鐘
2016年06月06日付 Milliyet 紙

TEMA財団(トルコ対侵食植林・自然保護財団)は6月5日の世界環境デーに、自然環境を守る政策を行うよう為政者らに呼びかけた。気候変動が原因で起こる干ばつに対策を講じなければ、21世紀のうちに多くの生物が絶滅するという。

国連によって制定された6月5日の世界環境デーにTMEA財団は、トルコ全土に自然保護の呼びかけを行った。為政者に対して国連の持続可能な発展目標に沿った政策を立案するよう求め、地球を脅かす危険について次のように語った。
「地球は気候変動の脅威下にある。シリアで2006年以降に発生した気候変動を要因とする干ばつが原因で、およそ150万人が地方から都市部へ移住を余儀なくされた。トルコにおいても内陸地域で25%に及ぶ生産高の減少が起こっている。気候変動と、生態系への抑圧要因により、21世紀中には多くの生物の種が絶滅する、あるいは、絶滅する可能性の脅威にさらされている。」

■水の法律が必要

財団は以下のように脅威を列挙した。
森林破壊: トルコの全2,150万ヘクタールの森林の48%が侵食され大地が失われるだろう。これまで森林法第2条b項の適用により47万3,420ヘクタールの土地が森林外と認定された。また、この条項により2013年末までに41万4,22ヘクタールの森林が採掘場や交通道路、エネルギー、情報、ごみ収集などの施設として使われることに許可が下りている。

水: 2050年には世界の人口は90億人を超えるだろう。2025年以降10億8千万人を超える人々が水不足に悩まされるだろうと推測される。世界の水の71%、トルコにおいては73%が農業部門で消費されている。「トルコ81県の貯水危機マップ」によると、37県で72の脅威が特定された。これらのうち主な要因は工業活動と流域面積の変動、そしてダムと水力発電施設だ。集水流域で水資源を活用し、広く意見を募った透明性のある管理を目指す「水の法律」が必要だ。

大気: 世界保健機関の2016年データ集によると、世界の都市で生活している人々の80%以上がきれいな空気を吸っていない。トルコで大気汚染が認められた県は、2015年に81県のうち41県にも上った。最も大気汚染が進んでいる3県は、アクサライとアール、ムシュである。世界保健機関が大気の基準値を考慮して行われた評価でチャンクルの数値だけが基準内であった。一刻も早く大気汚染防止の一歩を踏み出し、大気汚染物質について世界保健機関が推奨する境界値を定めるための法整備が必要だ。

■牧草地が大きく減少

食料: 1920年代には、国土の56%を形成していた牧草地が今日では19%に減少し、現在ある牧草地の70%は草の状態が弱く、生産力がない。加えて、トルコでは2020年までに500万人の人口増加が見込まれている。彼らの食料需要を一番に賄う穀物については、生産量を100万トン増やさなければならない。この状況は、もし生産力が増加しなければ、約40万ヘクタールの農業用地がさらに必要になるということだ。

生物の多様性: トルコは、生物の多様性という点でとても豊かな国だが、12,000の植物の種のうち1,400種が絶滅の危機にある。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:40627 )