レバノン紙、トルコ・米・PKKの3者会談を報じる
2016年06月21日付 Cumhuriyet 紙
レバノン紙は、「爆発」が影響を与えようと報じた。情報によると、マンビジュ軍事作戦の前にインジルリキ基地でアメリカ、トルコ、PKK(クルディスタン労働者党; 非合法)による会談が行われた。アメリカはトルコにオジャランの状況改善を説得しているといわれる一方、「クルド和平交渉」も再開するという。
アメリカの支援を受けたシリア民主軍(SDF)のマンビジュ軍事作戦が続く中、作戦実行に対しトルコがなぜ許可を与え、[トルコ国内の]クルド勢力圏の諸県で続く戦闘に関する重要な情報が話題となっている。
レバノンのエス・セフィル紙記者ムハンマド・バッルト氏の記事によると、マンビジュ軍事作戦開始前、アメリカ、トルコ、SDFの責任者らがインジルリキ基地に集まった。
マンビジュ軍事作戦は「シリア局面を変えることができる」と述べたバッルト記者は、作戦が、アメリカ、トルコ、クルド諸勢力、一定程度ロシアの合意を持って実現したとした。
同記者がアラブの情報筋に基づき行った主張によれば、マンビジュの決断は実はSDFがティシュリンダムを奪取した際に取られたが、トルコが「我々がイスラム国(IS)を一掃しよう」と主張したため待つことになった。
■アメリカは待ちたくなかった
同記者は、アメリカの中央司令部ジョゼフ・ヴオーテル司令官は5月21日、コバーニーへの訪問後、トルコへ来て、会見を行ったことに触れ、将軍がここでレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と会ったと述べた。
ヴオーテル司令官がトルコに来たのは5月22日だった。また、エルドアンとオバマの会談は5月18日に行われた。その時は、アンベリン・ザマンは70分間の会談でオバマはエルドアンをマンビジュ軍事作戦の件で説得した、と書いた。
この会談でヴオーテル司令官は、バラク・オバマ・アメリカ大統領の言葉を借りながら、アメリカがエルドアンに与えた猶予が終了し 、マンビジュ軍事作戦実行をもう待つことはできない、と述べた。
翌日、オバマとエルドアンの間で行われた電話会議では、マンビジュへ向かうSDF連合の人員構成でアラブが重きを占めるとされる一方、オバマ大統領はアフリーン-コバーニー線を一体化させず、北アレッポの15キロ圏内には介入しないことを保証した、といわれる。
■インジルリキ基地において興味深い会合
軍事作戦のために、アメリカがインジルリキ基地で会合を組織したと明らかにしたバッルト記者は、この会合にはSDF、トルコ、アメリカが参加し、SDFグループの中に、マンビジュ軍事作戦で亡くなったエブ・レイラもいたと書いた。エブ・レイラに関して、ISとの衝突でオバマの国際的連合軍代表者はお悔やみを発表した。
会合ではマンビジュ軍事作戦に参加する連合軍の参加メンバーについて話し合われたとされる一方、同会合でアメリカはトルコとPKK間の戦争に関して踏み込んだという。
■オジャランは自宅軟禁状態へ?
これによれば、アメリカはトルコを、アブドゥッラー・オジャランを自宅軟禁にし、オジャランがクルド要人と会合し、クルド問題の交渉を再開するよう説得した。
トルコ人責任者らはPKKにクルド系諸県で衝突を止めるよう要求し、これの見返りにマンビジュ軍事作戦にクルド人が参加するのを承認したという。
バッルト記者によれば、マンビジュの件で合意すると、トルコが最初にしたのは、ISのマレ包囲を解くことだった。その時期、ISが戦闘せずにその地域から撤退することが議論されていた。
■トルコ、クルド勢力圏構築に反対せず
ISの撤退後その地域にイドリブからトルコ諜報筋に非常に近いヌレッディン・ゼンギといったグループが送り込まれた。このことは、クルド人がISを口実にアフリーンに進行するのを防ぐために行われたと主張されている。
バルット記者は、トルコがマンビジュ軍事作戦におけるクルドの重要性に顧慮していないと注意を引き、エルドアンの発言とは逆に、シリアの中央権力が弱体化し、もしくは同国が分裂した場合トルコが、シリアの北部でクルドが勢力圏を構築するのに反対しないとした。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:内山千尋 )
( 記事ID:40718 )