クルド系政治から「新しい出発点へ期待」
2016年08月19日付 Cumhuriyet 紙


DBP(民主地域党)が有力な自治体へ行政官を派遣し、またハッキャーリ、シュルナク両県を郡に格下げしてユクセコヴァとジズレ両郡を県とにする法草案が差し戻された。クルド人政治家らはこれを好意的に受け取った。

ディヤルバクル広域市フラト・アンル市長のコメント
議会が社会の反対を考慮したのは喜ばしいことだ。DBPのカムラン・ユクセキ共同代表と、何十人もの首長や議員らは、今なお刑務所の中にいる。我々はほぼ毎日、非常に重い代償を支払っている。人をどんどん失っている、どのような制服を着ていようとも、どのような政治観を持っていようとも、畢竟この国の人々が死んでいっているのだ。(現在TBMMに議席を持つ)4つの政党による協働が、クルド問題解決プロセスの新たなプロセスの土台となることを願う。ひとつの交渉や対話の始まりの土台ともなり得るだろう。それで十分だろうか?いや足りない、しかし1つの始まりとなり得るのだ。我々は、新しい始まりを作り出し、また(過去の)記憶を壊していかなくてはならない。国の指導者、クルド人政治家、そして社会が、クルド問題についてより積極的に努力していく必要がある。クルド政治もこのような歩みを目の当たりにするにつれ、これを支援するような発言や方法を発展させることだろう。

スィルト郡トゥンジェル・バクルハン共同郡長のコメント
この法案の後が差し戻された後に、新たなプロセスが始まることを期待している。市民が、兵士が、警察官が、PKK戦闘員が命を落とすことのない日はほとんどない。私は行政官の派遣よりむしろ、このことを食い止めるために努力する必要があると考えている。これもまた、1つのチャンスとなることを祈る。これを第1の進歩だととらえるのであれば、第2の進歩は、個人的な見解だが、差し戻されたのならこの草案に代わるものが出なくてはならない。
クルド政治について何らかの評価を下すべきだろう。一般的な意味で対立している人々、つまりPKKや政府、あるいはクルド系の政党はこれをひとつの機会にすることができる。ヨズガト県からカルス県、アメドゥリ県からスィノプ県に至るまで、みながもう十分だと言っている。私としては、クルド問題にかかわる人々が、今も流れ続けている血を止めるために、再びクルド問題を考え直さなくてはならないと思う。

シュルナク県セルハト・カドゥルハン知事のコメント
シュルナクとハッキャーリ両県の県民による抵抗が、特に草案の県という地位に関する部分に関して影響を与えたと考えている。行政管理についても影響力のある反対運動が行われ、かなりの会見が行われた。本件に関する人々の抵抗が、法案の差し戻しという結果を生んだと考えている。これが最初の一歩になるのであれば、これに続いて踏み出される最も重要な進展は、イムラル島にいるPKK指導者であるアブドゥッラー・オジャランの、家族あるいは弁護士との面会であるべきだ。家族や弁護士は、イムラル島へ行き、オジャラン本人と会うべきであり、そして彼が健康であることを含めたメッセージをクルド人らに伝えなくてはならない。本当のところ、これこそが最初の第一歩となるだろう。

フェリデ・ラチンDBP共同副党首のコメント
彼らは失ったロバをもう一度見つけた。しかし同時に、政府はクルド人に対しこっそりと脅しをかけている。ジズレとユクセコヴァは県に昇格すべきだが、しかしハッキャーリとシュルナクもまた県としてとどまるべきである。行政管理官については、あってはならない法案であり、結果として差し戻された。そもそもトルコの憲法と、関連する法案は、行政管理官の任命について正当性を与えていない。草案が通過していたら、深刻な法の異常性が生じていただろう。しかし政府は最終的にこれを認識し、過ちを改めた。新たな法令がまた出てくるか分からないが、出てきたとしても今回のように憲法や関連法案、そして署名された国際条約に照らして違法になるようなことはないだろう。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:41081 )