ギュレン派逮捕者の釈放、はじまる
2016年08月20日付 Cumhuriyet 紙
38,000人の釈放につながる政令が出た後、刑務所の門は受刑者たちの近親者たちで埋め尽くされた。ボルではセラミ・オズヤマンさんの前に、彼女が独房で世話した鳥が外に出され、近親者に渡された。
政府が671号政令の中の「刑罰と治安対策の執行に関する法律」に追加された暫定条項で38,000人が釈放されることが発表された後、昨日も釈放が続いた。バクルキョイ女性処刑所では釈放が決まった120人の受刑者のうち14人が釈放された。
近親者の釈放に合わせ朝から刑務所の前で待っていた家族は、政府がチャンスを与えたと述べ、「この決定の後、どうすればいいか分からなかった。私たちに言わせれば皆がチャンスを得る権利がある。私たちの愛する人たちがもう二度とこんな所に入れられませんように」と述べた。
10年間の禁固刑の半分を終えたベリヴァンさんの姉、トゥーバ・D.さんは、喜びの反面、複雑な心境だと語った。トゥーバさんは妹と会う瞬間を想像することすらなかったと述べ、「2か月間の面会禁止があったため、会えなかった。この瞬間を想像できなかった。ここから出る時は後ろを振り返ることなく出て行くつもりです」と心境を語った。
■私たちがそばにいる
トゥーバ・D.さんの息子、ウラシュ・D.さんは叔母に会いに来たと語り、「彼女にはたくさんやりたいことがあり、過去の過ちを繰り返さないと私に約束した。彼女はそこで愛する人たちに遭えないことから狭い空間での生活まで、多くのことを学んだ。しかしこれからは私たちと一緒に新しい人生を始める」と述べた。
■友人に会いに来た
ベリヴァンさんと同室だったソンギュルさんも友人を迎えるため、夫と共に朝早くに刑務所の前を訪れた。妊娠中の体で友人を待つソンギュルさんは、彼女とは3年ほど共に過ごして姉妹のようだったと述べ、「3年間同じ空気を吸っていた。ここで真の友情を見つけたら、決して忘れることはありません。今日彼女のためにこの体でここへ来た。私たちがもう2度とこんな所に連れ戻されませんように」と心境を語った。
■釈放は世界のメディアでも
■インデペンデント紙:1980年クーデタと変わらない
同紙のベテラン中東派遣員、ロバート・フィスク氏は「スルタンが新たな囚人たちを受け入れるために」刑務所から38,000人の受刑者が釈放されることを次のように評価している。「トルコ国軍が1980年クーデタを起こした際、国の刑務所の収容人数は55,000人から80,000人に引き上げられた。極左および極右、ほとんどが男性のこの逮捕者たちは何年間も裁判にも出ずに過ごした。ギュレン支持の罪に問われた新たな逮捕者たちをより良い運命が待っていることは考えられない。「ミッドナイト・エクスプレス」という映画で描写された汚職と加虐趣味で有名なトルコの刑務所は、オスマン時代から残虐さで知られている。」
■フィナンシャル・タイムズ:クルド人を含んでいない
フィナンシャル・タイムズ紙は殺人と強姦に加え、テロの罪も恩赦の範囲に含まれないことを強調し、「これはクルド人の多くを刑務所に残すことを意味する」とした。
■ニューヨーク・タイムズ紙:人種差別主義的決定
アメリカの有力紙は「何万人もの犯罪者の釈放に関する恐怖の決定は、エルドアン大統領の政府の敵と疑われる人たちに対する粛清が広まる中、国を安堵させるためにとられた。この粛清と逮捕が、官界、司法、教育、メディア、その他の多くの分野で深い空白を生んだ。トルコは再び『世界で最も多くの記者を逮捕した国』となった」と評した。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:41083 )