アンカラ大学、憲法裁判所の決定に反し高等教育機構(YOK)へ「署名者」調査結果を通告
2016年08月28日付 Cumhuriyet 紙

アンカラ大学は、憲法裁判所の決定に反し、「平和のための研究者声明」に署名をした102人の研究者たちのファイルを高等教育機構(YÖK)へと送った。

アンカラ大学評議会の先週の火曜日に行われた会議で、「平和のための研究者」団体の声明に署名をした102人の研究者たちに対して行われた調査のファイルがYÖKへと送られたことが明らかになった。憲法裁判所の反対方針への決定があるにもかかわらず、ファイルがYÖKに送られたことは、研究者たちの反発を招いている。

「平和のための研究者」団体の原文に署名をした研究者たちに対する圧力は、7月15日のクーデター未遂の後に増加した。エスキシェヒル・アナドル大学で署名をした研究者たちが休職措置となっているのに続き、アンカラ大学でも動きがあった。

大学執行部は、6か月前に行われた調査に関し決定を下す必要に迫られていたが、憲法裁判所による「(本件は)YÖKの懲戒規則の適用外」との決定があるにもかかわらず、ファイルをYÖKへ送った。しかし、研究者たちへ、ファイルがYÖKへと送られたことに関しての情報は与えられなかった。研究者たちはファイルがYÖKへと送られたことを知ったのは、先週の火曜日に行われた大学評議会の会議の後であった。

一部の学部の学部長らは、署名した研究者たちに、署名したことを撤回するように提案した。署名した研究者たちに含まれる博士課程の学生に対しては、「警告」処分がなされた。

■学長への書簡

大学で署名した60人の研究者たちが、ファイルをYÖKに送られる以前の8月15日にアンカラ大学の学長エルカン・イビシュ教授へ書簡を渡したていたことがわかった。書簡では「平和の実現と人権の保護」を目的に署名した文書を理由に、様々な形で不当な扱いを受けていること、署名を理由に、アンカラ大学学長執行部により、2016年2月3日に懲戒に関する調査が宣告されたことが記されている。また、研究者たちの主張をふまえ、2016年7月4日に憲法裁判所第8部門が「YÖKの懲戒規則の適用を求めた国会本会議の決議の停止」を決定していることが指摘された。

書簡では「以上の進展にもかかわらず私たちの調査は6か月の間、いまだ結論が出ておらず、調査の過程そのものが新たな不平等のもとになるという状態になってしまった。7月15日のクーデター未遂の後、すべての人間が民主的な文化を通し和解が必要となっている環境で、初めからずっと人権と民主主義を守っている人間として、そのような私たちに対して行われた調査が、そして博士課程の学生たちの調査も含めて、戻ることのできない新たな不平等の扉を開くことなく、一刻も早く決着することを望む」と表明された。

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( 翻訳者:関口夏海 )
( 記事ID:41121 )