7月15日のクーデター未遂事件後、初めて戦勝記念行事の行う首都において目立った動きがあった。アタテュルク廟に入る際には、階級の高い士官でさえ身分確認とX線検査を行い、またその一方で、かなりの数の特別行動警察が慎重な警備をした。式典の際に大統領の護衛警官の中に制服を着たスカーフ着用の女性警官がいた。初めて、戦車も大砲も飛行機もなく行なわれると報じられたアタトゥルク文化センターでの行事は、プラットホームの崩壊で街の中心に移された。
8月30日の戦勝記念日は昨日全国で祝われたが、アンカラのアタテュルク廟での行事は数々の初めてのことが起こった。アタテュルク廟周辺と式典が行われる場所では、朝早い時間から警備が始まった。閉鎖場所や怪しい場所では偵察犬が爆弾感知を行ったり、特別装置を使用して放射線による探査を行ったりした。昨年とは違って、アタテュルク廟の庭で国民が待つ場所にバリケードが張られた。アタテュルク廟へ通じる全ての道が封鎖された。階級の高い士官を含め、駐屯地から行事に参加する全ての兵士も制服を着ていたとしても、身許確認の為X線検査を通ってアタテュルク廟へ入った。行事の間勤務したアタテュルク廟の兵士の他、軍人には一切武器の携帯を許さなかった。
■去年は民間、今年は特別部隊
共和国大統領タイイプ・エルドアン氏の傍らでライオンロードから進む式典の行進の際の警備措置は昨年とは大いに異なった。過去、民間人の服装をしたボディーガードがかなりの数であった護衛の職務を、今年は常に手が武器に触れている特別活動警察とCATチームが担っていた。アタテュルク廟の屋上で、また危険と考えられるあらゆる場所に配された特別活動警察は、重機関銃、長距離望遠鏡、狙撃銃を携帯して警備活動をした。一部の特別活動警察は、「反ドローン」の武器やアクションカメラで知られる「GoPro」を使用した。アタテュルク廟周辺の警察の装甲車は空からの攻撃に対しても効果のある重機関銃を装備して警備活動をした。
■式典で肩を並べて
共和国大統領エルドアン氏、トルコ国民大議会議長イスマイル・カフラマン氏、首相ビナル・ユルドゥルム氏、共和人民党党首ケマル・クルチダルオール氏、 民族主義者行動党党首デブレット・バフチェリ氏、参謀総長フルシ・アカル氏、軍の司令官、閣僚らはライオン通りを歩いて霊廟を上った。昨年とは反対に、クルチダルオール氏はエルドアン大統領の側を歩くことを避けないと、四名の要人が肩を並べている姿がレンズに映った。エルドアン大統領、ユルドゥルム首相、クルチダルオール氏は、ミサクミッリー塔に入るときも話をしていた。エルドアン大統領はミサクミッリー塔から出る時、外で待っていた民族主義者行動党党首デブレット・バフチェリ氏と握手した。
アタテュルク廟を訪れた人々の中には、7月15日のクーデター未遂で殉職した人の遺族や負傷兵士たちもいた。アタテュルク廟を埋めた国民はエルドアン大統領や国家の要人たちに拍手した。エルドアン大統領は、その後、「最高指揮官」という資格で大統領官邸で8月30日の祝福を受け入れた。エルドアン大統領は、国会要人や外国の大使とひとりひとり握手した。
■7月15日の意志は信頼の源
アタテュルク廟の特別記帳書に署名した共和国大統領タイイプ・エルドアン氏は、メッセージで7月15日を強調した。エルドアン大統領は特別記帳書に次のように書いた。
「聖なるアタテュルク、今日、あの大勝利から94年目を、国民として大いなる誇りと興奮をもって思い出します。あらゆる貧しさや欠乏、困難にも関わらず、解放戦争で大勝利を収めた、決意や信念をもって引き継いだ共和国を確固たるものになるよう全力で務めています。我が国家をこのすばらしい歩みから引き止めようとするテロ組織の悪意の攻撃に屈せず、裏切り者のギャングたちを排して、一体、共生、共同の中で将来に渡って闘いを続けていきます。今年開業するオスマン・ガーズィ橋やヤブズ・セリム橋のような国の栄誉の源となる歴史的なプロジェクトは、闘争の決意の現れです。聖なる国民が、94年前同様に、あらゆる相違を脇にやり、7月15日の夜に明らかにした意志は最大の信頼の源です。偉大なる人物が、聖なる殉職者が我々に託したこの祖国を命をかけて守り成長させていきます。」
■パレードは大通りで
8月30日に毎年開催されていたアタテュルク文化センターでの公式のパレードは、一昨日の嵐でプラットホームが崩壊したことでキャンセルされた。これを受けて、ウルスの第一と第二議会のある共和国通りにおいて慌てて準備が始まった。災害緊急時対策庁のメンバーは放射線型空域探査装置を使用して区域を調べた。その地域の治安対策は、コブラ、エジデル・ヤルチュンのタイプの装甲車と空から警察のヘリコプターで行われた。しかし、大統領や国家の要人は第一議会前のパレードには参加せず、式典のため準備したバルコニーは空っぽだった。
■警官帽の下に初めてのスカーフ
8月30日の戦勝記念日をイスタンブルでは朝9時半にタクスィム広場で行われたセレモニーで祝われた。セレモニーには、イスタンブル知事のヴァシップ・ シャーヒン氏や、イスタンブル広域市市長のカーディル・トプバシュ氏、第一軍司令官ムサ・アブセヴェル大将、ベイオール区長のアフメト・ミスバフ・デミルジャン氏、共和人民党議員のセズギン・タンルクル氏が参加した。警察勤務階級保持者服装規定で変更が行われ、女性警官がスカーフの着用が自由になったため、ある女性警察署長が式典で帽子の下に同じ色のスカーフを着用した。
■廟に人びとの流れ
8月30日の戦勝記念日のお祝いは30日の朝アンカラで共和国大統領レジェップ・タイイプ・エルドアン氏と国家要人がアタテュルク廟を訪れることで始まった。一部兵士は式に子どもと参加する者もあった。式の後、アタテュルク廟は来訪者へ解放された。
子どもからお年寄りまで国民は手に旗やアタテュルクのポスターを持って、アタテュルク廟を訪れた。とても多くの参拝客がこの瞬間をセルフィーしながら捉えた。
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( 翻訳者:佐藤彩乃 )
( 記事ID:41138 )