イラン・チーター協会が警告「2010年代の終わりまでにイラン・チーターは絶滅」(2)
2016年08月30日付 Iran 紙
彼はさらに次のように付け加えている。
93年と94年〔西暦2014年と2015年〕に確認されたチーターの頭数は23頭で、このうちメスのチーターはたった4頭でした。そしてそのうちの2頭はトゥーラーン街道で車にひかれてしまったのです。私たちは今年もチーターの頭数の推定作業を開始しましたが、これまでにこの2頭のメスのチーター以外、他のメスは目撃されていません。道路の安全化が行われないならば、この2頭のチーターも今年中に死んでしまう恐れすらあるのです。
キャヴィール国立公園からチーターが消えた
イラン・チーター協会の代表はさらに、次のように続けている。
ヤズド州の生息地におけるイラン・チーターの状況は、80年代〔※西暦でほぼ2000年代〕に目撃されたものとは異なり、いまでは極度に悪化してます。実際、同州にあるチーターの生息地5ヵ所では、メスや子どものチーターがまったく目撃されなくなって、すでに3年になるのです。一方で北部、すなわちセムナーン州や北ホラーサーン州の生息地では、状況はある程度ましです。とはいうものの、セムナーン州ですら、1頭のチーターも目撃されなくなって、今や3年になります。〔同州にある〕キャヴィール国立公園は数十年前まで、イラン・チーターの最高の生息地だったのに、です。この公園では、4〜5年前まではオスのチーターが1頭、目撃されていましたが、今ではこの1頭すらいなくなってしまったのです。
過去15年間で34頭のチーターが死亡
ヤズド州
バーフグでイランのチーターたちが虐殺されるという、最大級の悲劇が起きた1373年シャフリーヴァル月9日〔1994年8月31日〕以降、これまでに何十頭ものイラン・チーターが、事情をよく知らない人たちやハンター、そして鉱山開発計画や道路建設計画などによって、直接的・間接的に殺されてきた。モルタザー・エスラーミー氏によれば、1380年〔西暦2001年〕以降だけでも、今日までに48頭近くのチーターがイランで殺され、うち34頭の死については完全に確認が取れており、この34頭中、15頭は道路〔での事故〕で死亡したという。
この統計が示しているように、生息地を横切ったり、〔チーターたちの移動する〕道の真ん中に位置していたりする、〔自然環境保護という〕原則を無視した道路の存在がイラン・チーターの最大の死亡原因となっている。にもかかわらず、原則を無視した道路建設の中止や、チーターをはじめとする野生生物用の道を作るなどの道路の安全化に向けた施策は、いまだまったく講じられていないのである。
つづく
この記事のつづきはこちら
( 翻訳者:TR )
( 記事ID:41171 )