携帯端末レジスタリング計画の実施がもたらした衝撃はきわめて大きく、国会調査センター所長も、書簡の中で第10期国会議長に対して、この計画を拙速に実施しないよう求めたほどだった。
携帯端末レジスタリング計画の性急な実施に反対する声は、通信情報技術省からもあがった。この計画の責任機関である同省は、レジスタリングに関わる過去の苦い経験を繰り返したくないと考えていた。しばらく前のこと、マフムード・ヴァーエズィー通信情報技術相は記者団の前で、この計画の実施に対して自身が抱いている懸念について触れ、次のように述べたことがあった。
現在のところ、この計画に関わっているのは、商品密輸対策本部、鉱工業省、通信省、そして税関の4機関である。私はこの計画を再び実施するにあたって、2つの基本的条件があると考えている。一つは市民に不満を抱かせてはならないということだ。そしてこの件で私が考えているもう一つの条件とは、これまで、つまりこの計画の実施前までに国内に存在した携帯端末はすべて、レジスタリングの対象となるべきではなく、計画実施後、輸入された端末だけをレジスタリングの対象にすべきだ、ということである。それは結果として、市場の混乱を引き起こさないためだ。
ヴァーエズィー通信相は続けて、レジスタリングを遺漏なく実施するためには、もっと時間と労力が必要だとし、この計画を実施する正確な時期については申し上げられないと強調した。
「iPhone」輸入許可を有する9社
レジスタリング計画の正式な実施時期については、95年〔※〜2017年3月20日〕が終わるまでの「いつか」に先送りされているが、その正確な実施に向けた準備作業は、すでに国内で始まっている。政府当局が指摘するところによると、現在、国内に代理店がなく、いかなる監視・監督も行われずに携帯電話市場で売られている主要なブランドの一つに、iPhoneがある。それゆえ、まず最初の一歩として、この携帯電話の国内への輸入を規制する必要がある。鉱工業商業相代理が述べたところによると、現在までに9社に対し、国内においてiPhoneの注文受付を合法的に行い、輸入する許可が付与されているという。
「音響・映像機器、携帯電話、ならびに周辺機器販売事業者連合」代表のエブラーヒーム・ドロスティー氏はイラン紙の取材に対し、市場で70万トマーン〔※約2万3千円〕以上で売られている携帯電話の6〜7割は密輸品だと指摘した上で、次のように述べている。
現在、携帯電話の輸入にかけられている関税が高い(輸入税率が6%、付加価値税が9%)ために、密輸に手を染めようとする一部の者たちが儲かるようになっている。実際、携帯電話の輸入に対して、税関が厳しい条件を課していることが、密輸業者たちにとっての安全地帯が国内にもたらされる原因となっているのである。それゆえ、簡単に、何ら障碍に直面することなく、商品をイランに輸入し市場で売ることができるような、適切な状況が輸入業者に用意される必要があるのだ。
ドロスティー氏は、現在携帯電話市場の合法化のために始まっている監視・監督は持続的なものであるべきであり、一時的なものであってはならないと強調し、さらに密輸対策には、密輸品が持ち込まれる大元をふさぐべきであり、密輸品の取り締まりは小売業者のみに限定されるべきではないとも強調した。
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( 翻訳者:FJMK )
( 記事ID:41190 )