どうなる?トルコでも進む高齢化
2016年10月02日付 Hurriyet 紙


トルコは韓国に続き、急速に高齢化が進む第2位の国だ。平均寿命は男性が71歳、女性は76歳に上った。2023年には人口の10.2%は高齢者になる。しかしトルコはこの「灰色の津波」に備えができていない。

 ここ50年間で寿命は20年延びた。世界保健機関のレポートによると、2000年に60歳以上の人口は6億人だった一方で、2025年には12億人、2050年には20億人に達する。世界はこの高齢集団を「シルバー・ツナミ」つまり灰色の津波と呼んでいる。

 弊紙がこの件についてのインタビューを申し入れた、高齢者たちについて調査と出版を行っている、地中海大学老年学科のイスマイル・トゥファン教授は、 「トルコで若年人口が優勢との考えは夢物語である。我々はおそらく地上で最も若い退職者たち、最も若い潜在労働力を持っているが、韓国に次いで急速に高齢化が進んでいる、世界第二位の大きな社会だ。いかなる機関もこれに備えていない」と述べた。

 トゥファン教授はトルコでは高齢者介護のために一刻も早く社会的な介護保険を立ち上げる必要があると主張し、「約40万人のアルツハイマー患者がいる。彼らの面倒を見られるように機を逸せず社会介護法と保険が作られるべきだ。このため約60億ドルの資金が必要だ」と述べた。

■「経済がトップ20に入るトルコの高齢者(問題対策)についての恥」

 トゥファン教授はトルコは世界経済でトップ20の中に入ると述べ、「このためトルコは、自国をアメリカ、ドイツ、日本のような国と比較すべきである。これらの国全てで高齢者を見据えたサービスが適切であると思った。この諸国と比較したなら、トルコの高齢者サービスはバングラデシュと同等だ。とても後れている。当代、国の豊かさの水準をはかる最も重要な指針の一つは、高齢者の全般的・個別なニーズにどれだけ応えられているかである」と述べた。

 トゥファン教授はトルコで高齢化現象が社会問題であると強調し、以下のように述べた。

「介護が要る175万人の寝たきりの人や高齢者の問題は緊急の解決が必要だ。誰が彼らの面倒をどのように見るのか、誰がお金を融通するのか?介護は、単に善意、 寛大さ、清い心、気高い奉仕の心のみで行うべきものではない。被介護者が自身の面倒を見る人を自身の自由意思により選べるべきだ。介護は恩恵としてとられるべきではない。これは国民としての権利だ。これを保障するために絶対に先進国レベルの社会的な介護保険が設けられねばならない。」

■「新雇用の可能性」

 トゥファン教授は、国も民間セクターも介護サービスで働く資格をもつ人材をもっていないと述べ、「民間セクターは介護部門の投資のために奨励されるべきだ。もしこのサービス部門[の形成]を実現できたのならば、若者の失業も防げる。年に20万人の雇用を供給できる。公共部門には4万2千件の不用なビルがあり、これを高齢者サービスに使用出来る。地方行政はこれを容易に行える」と述べた。

■「モスクの中庭に捨てられた高齢者がいる」

 トゥファン教授は「アルツハイマー問題に患者家族のみが直面している。国も民間セクターもこの難しい仕事を実現するための具体的解決策を進めていない。高齢者とアルツハイマー患者の介護は、一般に娘、嫁、孫娘に任せたままである。男性の介護参加はとても少ない。アルツハイマー患者の近親者をモスクに捨てた者たちもいた」と述べた。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:41353 )