イラク議会で採択された決議でもって、トルコのモースル近郊に位置するバシカのトルコ軍の駐在を認めないことが知らされた。イラク議会の採択した決定に関して外務省から発表が行われ、「イラク国民議会の2016年10月4日に採択された決定を非難する。特に当該の決定の、我々の敬愛する大統領に向けた見苦しい非難を含んだ部分に強く抗議し、容認することはできない」と述べられた。
アナトリア通信の情報によると、イラク議会による書面での発表では、イラク議会はトルコ大国民議会(TBMM)が決定したトルコ軍がイラクに残る期間を延長することに関する決定を容認せず、このことに関する決定を承認したことを明らかにした。
その発表では以下のように書かれていた。「我々が採択した決定には、トルコの在バグダッド大使が呼ばれ注意すること、トルコ軍が「占領軍」として認識されること、そしてイラク領土から撤退させるために必要な措置が講じられること、トルコ軍がイラクへ入ることを要求する者たちに関して裁判を申請すること、レジェプ・タイイプ・エルドアン共和国大統領の発表を非難し、容認しないこと、トルコとの貿易と経済の関係が見直されること、トルコ軍が国から撤退するように、政府が国際連合安全保障理事会(BMGK)に国際連合(BM)に直ちに申請すること、政府、さらには国家の主権を守るために政治や外交を通じて働きかけていくことを含んでいる。」
■派兵許可を理由に示した
ヒュリエット紙に情報を与えた関係者は、イラク議会がトルコ軍の撤退を要求した理由として、10月1日に開かれたTBMMにおいて、同じ日にイラクとシリアへの派兵許可が承認されたことを示したと述べた。トルコの情報筋は、「イラク議会が行った決定では、特にモースルの近くにあるバシカ基地にトルコ軍が駐留していることが標的となった」と述べた。あるトルコ関係者はヒュリエット紙に以下のように述べた。
「(トルコ軍のイラク国内への)派兵許可が、今年、イラクの世論に異なって反映された。真実に基づいていない形でトルコ軍が、モースルに入ることが強調されている。議会のこの決定の後、イラクの要人らはアメリカの関係者と話し合いを続けている。トルコの派兵許可がどのような意味であるのかもう一度バグダッド政府に説明している。一部周辺では意図的に事実ではない主張がなされている。トルコ軍はバグダッド政府の要求のもと、バシカにいるのだ。トルコ軍が撤退することは問題ではない。会談後にはトラブルは解決すると考えている。」
■イバディアバーディ首相、多国籍軍も我々のそばにいる
イラクのハイダル・アル・アバーディ首相も、行われた会見でトルコのバシカでのトルコ軍の駐留についてコメントし、「有志連合軍も我々がバシカにいるトルコ軍の駐留に反対することに対して、我々を支持している」と述べた。アバーディ首相は、バシカに関する発表で以下のように述べた、「トルコがイラクの内政に干渉することを我々は容認しない。トルコ軍の駐留は我々の内政への明らかな干渉であり、我々の主権に反していることは明白である。閣議も、トルコ大統領の発表に対し反対し非難し、『反乱をもたらすための行動である』と解釈した。軍事行動という選択肢を選ぶ意図はない。地域的な衝突は望んでいないし、恐れているのは、トルコ軍のモースルでの動きが地域的な衝突に転ずることである。トルコのリーダーらは彼らが話した計画の実現において成功することはないだろう。このことが最も大きく反映されるのは、まずトルコにおいてである。有志連合軍もイラクがトルコ軍の駐留に反対することに対して、我々を支持している。最も健全な方法でこの問題を解決しなければならない。」
■外務省からの発表
イラク議会が採択した決定に関して、トルコ外務相から発表が行われた。発表では以下のように述べられた。「イラク議会が2016年10月4日付けで採択した決定を非難する。特に当該の決定の中で、敬愛する大統領に向けた見苦しい非難を含む部分に強く抗議し、容認はできない。この決定は、トルコが長年にわたり、いかなる問題においても味方をし、できるかぎりの支援をしようとしてきたイラク国民の大部分の見解を反映しないと思われる。
トルコは、最初から今まで国の平和を脅かすものとしてみなしているIS(イスラム国)と断固として戦っており、この間ISとの戦闘において、国際的な有志連合の設立からその一員として、有志連合の努力を強く支援してきた。
トルコは、何年もイラクから生まれてくるテロの脅威によって何千もの国民を失ってきた。イラクでの宗派的なアプローチが理由で生じた不安定さが直接影響するにも関わらず、イラクが領土の一体性を、主権を、安定と安全を求めることにおいて、大きな政治的、経済的代償を払う危険にさらされながら、もっとも力強い形で守ってきた。今日までイラクへトルコが原因となるいかなる脅威もなかった。
イラク議会の当該の決定において述べられているTBMMの派兵許可は、新しい法案ではない。イラクの北に生じたPKKテロ組織の脅威に対して最初2007年に承認されている。ISテロ組織が出現するのと同時にこの組織はシリアを覆う形で広がった。
何年もの間承認されてきたこの派兵許可に対して、声をあげなかったイラク国民議会が、テロがイラクで、そしてトルコでこれほどまでに人々の命を奪っているこの時期にこれを新しい法案であるかのように問題とするのは、意味深長なことである。
トルコは国の平和を脅威にさらすテロ組織に対して自衛権の行使という方法で戦ってきたように、共通の未来を共有するイラクの主権と領土の一体性の保護において示してきた原則に基づく姿勢を断固として守っていく。
イラク議会のこの決定と、そしてイラクの何人かの要人の我々の国を非難する発表により感じた不快感と反発は、外務省に召喚されるイラクの在アンカラ大使に伝えられる。
イラクの要人たちには、ISとの戦いが地域において重要な時期に、IS後に向けた損得勘定を捨て、イラクと我々の地域にとって利益となることのためにトルコがイラクに差し伸べた友好と支援の手を受け入れるよう呼びかける。」
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( 翻訳者:西田夏子 )
( 記事ID:41362 )