トルコ軍のイラク北部バシカ駐留により生じているイラクとの緊張に終止符を打とうとするトルコだが、一方ではモースルに対する軍事作戦の用意が検討され始めた。
トルコ防衛筋は、モースルでの軍事作戦を近いうちに開始する方向で動いている。これに沿い、参謀本部でも多様なシナリオが練られている。
現段階の政府のモースル作戦では、トルコ軍が戦地で直接、陸上部隊に加わり支援することはない。
米国主導の連合軍から要請があれば、トルコは空軍を使って作戦を支援するか、あるいはトルコ空軍基地を連合軍に開放することも議論されている。もう一つの可能性としては、モースル解放作戦で任務にあたる部隊への軍事コンサルタントだ。10月1日にトルコ大国民議会で承認されたイラクおよびシリアに関する公式文書は、この要請に応えるものだという。
トルコは、バシカで訓練中の勢力がこの作戦に参加することにも前向きである。ある関係者は、「トルコがバシカで訓練したのはスンニ派勢力だけではない。シーア派やヤズィディ教徒、クルド民族の勢力も訓練を受けた。民族や宗派による差別はなかった」と述べた。しかしトルコ政府は、バグダードの中央政府の指揮下にあるシーア派が多勢を占めるイラク軍がモースルを攻撃した場合、都市の人口動態の崩れが起きることを懸念している。そのため、モースル解放においてはモースルで優勢なスンニ派勢力に配慮することが望まれている。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:41383 )