米国大統領候補の二回目の討論会は前例のない激しいものであった。討論では、トルコに密接に関係しているシリア問題が取り上げられた。クリントン候補は、大統領になれば、テロ組織PYD(民主統一党)を意味している「シリアのクルド人へ武器支援することを考えている」と話した。
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■「シリアのクルド人への武器支援を考えている」
クリントン候補は、シリア及び特にアレッポの悲劇を止めるために何を行うかとの質問に対し、以前同様に再び「飛行禁止区域」と「安全地帯」の提案を繰り返した。
クリントン候補は、アレッポでの攻撃においてロシアに最も責任があるとし、米国の兵士もシリアでの戦闘に対峙していることを強調した。クリントン候補は、シリアとイラクでイスラム国に対し戦争をしているアラブ人とクルド人に、米国がさらなる武器支援をおこなう必要があるとの認識を示した。
クリントン候補は、大統領になれば、テロ組織PYDを意味している「シリアのクルド人へ武器支援することを考えている」と語った。
トランプ候補は同じ質問に対し、オバマ政権の対シリア政策を批判する返答を行い、アレッポに関する具体的な提案を提示しない一方、「アサド、ロシア、イランがイスラム国に対する戦争をおこなっている。我々の弱い外交のおかげで、現在、三者は我々に対する連合となった」とコメントした。
トランプ候補は、陣営の副大統領候補のマイク・ペンス氏のシリアに関する発言について、「この件について、私は絶対に同意しない」と話したことが注意を引いた。
■クリントン候補はムハメド・アリの例に挙げた
クリントン候補は、米国内のムスリムに関する質問について、「この国ではジョージ・ワシントン以来、ムスリムが存在しており、かれらの中にはムハメド・アリのように忘れられることのない成功者が大勢いる」と語り、(彼女の)大統領任期中では、アメリカのムスリムは、米国で対等の市民として暮らせることを約束した。
クリントン候補は、イスラム国と闘っている連合軍には多数のムスリムの国家が入っており、これらの国々とともにテロとの闘いをおこなうことを強調し、「トランプ候補のムスリムに関する発言は、イスラム国のようなテロ組織への贈り物であり、それ自体がさらなるメンバーを得るために使われる材料である」と述べた。
トランプ候補は、自身の「私はムスリムを米国に入れさせない」との発言について、特にシリアのような国から米国へ来る者について、大変強固な安全対策を行う必要があるとのことだと弁護しながら、「ムスリムは何かすれば、そのことを(当局に)報告しなければならないし、そうすることで問題が明らかになる」と話した。
トランプ候補は、急進的イスラムテロ概念を一度以上使い、バラク・オバマ米大統領とクリントン候補がこの概念を使用することを控えていることを非難した。クリントン候補は、「私たちの戦争はイスラムとではない」と語って、彼女自身が暴力を内包するジハード主義テロリズム概念を選択していることを明らかにした。
クリントン候補とトランプ候補が会する次の討論番組は10月19日水曜日、ラスベガス市のネバダ大学で行われる予定だ。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:41396 )