ヘーゼルナッツ生産者、困難に直面
2016年10月15日付 Cumhuriyet 紙

世界一のヘーゼルナッツ生産地トルコで農業労働の採算が取れず、消費者は安くヘーゼルナッツを手に入れられず、家族の高齢者に任されたヘーゼルナッツ生産で、収穫量が落ちている。

一方では気候の変化が原因で特にここ数年見られる生産量の変動によって、他方では正しい判断を待たず決められ、生産者の利益を気にかけることなく整備された農業政策によって、ヘーゼルナッツ生産における苦しみが始まった。しかし木から集めることで始まり、輸出に入った全過程の中で正しい工程が踏まれなければ苦しむのは単に、農業従事者登録制度に登録している40万の登録者を始め、計50万戸の生産者と国内の消費者だけではなくなるだろう。市場を失い始めた大規模貿易業者も、輸出量が落ちた国も敗者のグループに属することになる。値段の変動について再び話題となっているヘーゼルナッツにおいて、農産物公社(TMO)が行った買い取りの価格は2006年~2009年には4.00TL(トルコリラ)~4.50TLの間だった。今期はヘーゼルナッツの生産が8月の収穫予想を下回ったため、その値段は自由市場で15.5TLに上った。シーズン開始とともに、まず14TLあたりに、その後13,12TLに落ちた。さらにはとにかく売りたい生産者が11TLから売ることさえ見られた。

■消費者も被害者

生産者が値段を11TLまで落としても、不幸にも国内の消費者の役には立たなかった。なぜなら国内の消費者にはヘーゼルナッツが45~55TLの間で売られていたからだ。ヘーゼルナッツ農業販売協同組合(FİSKOBİRLİK)総局長でさえ5倍に上がった値段に抗議したほどに、状況は深刻だった。FİSKOBİRLİKのルトフィ・バイラクタル局長はこの状況に対してヘーゼルナッツがもっと安価で売られなくてはならず、40TL以上の値段はあまりに法外であるとの見解を示した。これに関連した質問に応えた農業組合のアブドゥッラー・アイス組合長が出した情報によると、総輸出量が全収穫量の10%からそれ以上を占めるこの時期は、過去数年(のデータ)に基づくと輸出量が少し少なく(5千~1万トン)なると予想される。10万トンまで引き渡された貯蔵量とこの貯蔵量の大部分が預け販売となると考えられていることで値段の変動が発生し続ける。くわえて資本グループは買い取り価格を抑える過程を延長して、イースター前に不景気を生み出しつつ、低価格で購入したいと思っている。預け販売を防ぐような農家のための貯蔵システムを通らずに、このシステムを運営する協同組合を設立せずに、値段の変動を止めることは不可能だ。

■覇権は弱まっている

データを見ると、国内のヘーゼルナッツ生産地は減っておらず、むしろ逆に増えている。しかし収穫高も生産高も時折減っているようにみられる。気候の他の最も重要な要素は、労働の採算をとれない生産農家が生産業を家族のふるさとに残った老齢の人々に残したことだ。なぜなら生産者の生産欲がとても減退している状態だからだ。生産コストに加えたプラス25%の利益を得られない生産者は日々の生産から離れる考えを抱えていると言われている。なぜならFİSKOBİRLİKの機能を失わせ、市場を調整する立場から遠ざけることで、生産者がその数10に満たない大規模貿易業者と会社の道理に従わざるをえないという状況に陥ることは、重大な問題をもたらすように見えるからだ。トルコが世界シェアの85%を占める市場の覇権が66%にまで低下し、チリ、グルジア、アメリカを初めとする他の国がヘーゼルナッツ生産を重大な形で支え始めた。

■どうたどったのか?

FİSKOBİRLİKは00年代まで産業通商省の命令により、政府の後ろ盾で運営された。その後第4572号法律によってこの後ろ盾は大農家に移った。ヘーゼルナッツ農家はこれまで協同組合の運営において発言することも権限も決定権もなかった。AKP政府はFİSKOBİRLİKの代わりに農産物公社(TMO)をも参入させこの過程を急がせた。

■市場を席巻されるだろう

国内ヘーゼルナッツ委員会という、いわゆるヘーゼルナッツに関わる全ての組織を代表する機関が考案された。しかしこの委員会はヘーゼルナッツ農家を代表するものではなく、運営委員会の決定システムの中に全くヘーゼルナッツ農家はいなかった。運営陣は完全に輸出業者と雇用者で構成された。すなわち農業の法人化の道が完全に開かれた。ヘーゼルナッツに発生したいさかいと協同組合の排斥の本来の目的は、ヘーゼルナッツ農家を、金のトレーで国内外の農産食品会社へ差し出すことに他ならないように見える。

生産者が優位でないといけない

現状に対し、農業組合の提案する解決策の大筋は以下のようなものだ。
-協同組合の運営を望む者は第4572号法いわゆる自由化法の、会社のためであり、かつ生産者のためにならない部分が改革されずには、行えることは何もない。
-FİSKOBİRLİKはただヘーゼルナッツを農家から買い、貯蔵した後再び輸出業者に売却するといった理解を捨てて、購入したヘーゼルナッツを機関で運用し、国内外市場に自身で提供するべきである。
-得られる利益によって、会社に対して農家が守られる形で市場参加しなければならない。
-生産から市場に出すまでのサイクルのすべての過程を統制していなければならない。

-もし余っても、貯蔵分と寄贈分を決して売ってはならない。
-結論としてヘーゼルナッツ農家自体を代表する協同組合の理解を組織化することや発足させることをせずに、他の表現でFİSKOBİRLİKに他の権限を与えずに、ヘーゼルナッツ農家問題を解決できるということはない。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:41427 )