バルザーニークルド自治政府大統領、シーア派連合とともに記者会見
2016年10月27日付 Hurriyet 紙
イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領とシーア派国家連合リーダーのアマル・アル=ハキムは、モースルでカメラに向かって重要な発表を行った。アル=ハキムは、トルコ軍がバシカにいることに関する質問に答える中、「イスラム国(IS)」に対する軍事行動に参加する全ての者に感謝するが、この支援はイラクと合意があることが重要である」と話した。
イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領は、シーア派国家連合のリーダーであるアマル・アル=ハキムとともにモースルで記者会見に臨んだ。
イラク・イスラム高等委員会のサイード・アマル・アル=ハキム委員長は、北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領と集い、「トルコ軍は合意なしに来たようだ。我々はイラクとの合意を求めてきた。イラクは自国を守ることができる。トルコやほかの国が守る必要はない」と話した。バルザーニ大統領は「ペシュメルガはモースルに入らない。キルクークに入ったのは、そこでの敗北が原因だ」と話した。
イラク・イスラム高等委員会のサイード・アマル・アル=ハキム委員長は、バルザーニを訪問した後、モースルから120km離れたゼルテク山で共同記者会見を行った。アル=ハキム氏は、「クルディスタン地域で」軍事行動の進行を見るチャンスを手に入れたと話し、「ここは非常に重要な場所だ。ゼルテク山は成功の舞台になった地点だ。ペシュメルガとイラク軍が結成以来、初めて共に塹壕にいる。病院では、ペシュメルガとイラク兵は同じ場所で寝ている」と話した。
■「支援は、イラクと合意がある必要がある」
アル=ハキム委員長は、トルコ軍がバシカに駐留していることに関する質問に答え、「この戦争はイラク人の戦争である。全てのイラク人にとって同じことだ。作戦に参加した全ての国に、我々を助けてくれた全ての者に感謝する。しかし、この支援はイラクとの合意に基づいて行うことが重要だ。イラクで兵力が駐留するには、イラク政府と合意がある必要がある。我々はトルコ軍は合意なしに来たと考えている。我々はイラクとの合意を求めてきた。イラクは自身で自国を守れる。トルコや、ほかの国の助けを望んではいない。以前からトルコ軍はイラクにおり、特別な目的のために来ていた。現在の勢力とテロとの戦いに関して新しい窓を開くべきだ。なぜなら、トルコは重要な国だからだ。」
アル=ハキム委員長は、バルザーニー大統領との会談を重要視しており、クルドのリーダーが非常に重要な窓を開けたと話し、「我々は今日、この訪問の成果を見ている」と話した。
■バルザーニー:ペシュメルガはモースルには来ない
バルザーニー大統領は、モースルの軍事行動はペシュメルガとイラク軍の連携で成功し続けていると話し、「モースルの未来に関してアルビル(クルド自治政府) とバグダード中央政府の間で共同の委員会が組織される。今後起きる問題はここで解決される。モースル市民はぜひ安心して欲しい。あらゆる代償は、 彼らをテロ組織の手から救うためだ」と話した。
バルザーニー大統領は、モースルの中心に入る勢力に関しては、「ペシュメルガ勢力のモースル作戦における役割が明らかになった。ペシュメルガはモースルの中心に入らない。イラク軍はモースルの中心に入る。ペシュメルガ勢力とイラク軍の間における調和が続くことを願っている」と述べた。
バルザーニー大統領はまた、「バシカは包囲され、軍事的に陥落した。しかし急いではいない。ペシュメルガとイラク軍の駐留地に入って欲しくない。完全に敵を掃討したと確信しなければならないからだ。少なくとも徐々に、『イスラム国』の手中にある地域を解放しようとしている。以前から遠隔操作爆弾、地雷、爆発物の除去のために時々時間を要している。バシカは、現在解放されたといえる」との見方を示した。
同大統領は、ペシュメルガの統制地域で引いたラインは軍事的なものであると強調し、「我々がたどり着いた場所で引いたラインは軍事的なものであり、政治的なものではない。ペシュメルガとイラク兵の任務は合意によって定められた。どこで合同し、どこで別行動するかは全て明確になった。これは非常に明白だ。皆は持ち分を知っている」と言った。
■「アメリカのためではなく、我々自身のために戦っている」
バルザーニー大統領は「イスラム国」が先週キルクークで行った攻撃にも言及し、以下のように話した。
「『イスラム国』のキルクークでの攻撃は、敗北を忘れさせるためである。しかし、状況は短期間で回復した。テロリストは鎮圧された。戦線のペシュメルガ勢力の一部を、現地の状況を把握するためにキルクークに派遣した。しかし、その必要はなかった。我々はあらゆる展開へ、事態へ備えねばならない。」
バルザーニー大統領は、新聞記者の「アメリカは、クルド人をイラクやシリアで利用しているのか」という質問には、「我々はアメリカのためではなく、我々自身のために戦っているのだ。誤った問いかけだ」と反発し、「我々は『イスラム国』のクルディスタン地域における脅威を排除したい。モースルの解放と共にクルディスタンにおける脅威も減るだろう。我々の戦いはシリアではなく、ラッカにおける展開とも関係ない。我々は自分たちの戦線にいる」と述べた。
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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:41500 )