勤務している組織には六千人のパイロットがいるが、彼女のようにこの仕事をする同性の数は200人いないだろう。先週、飛行中に乗客の命を救い、話題になったエブル・ウンサルとトルコで女性がパイロットになることについて話した。「職業を告げた時に、相手は驚きの反応を見せる。」
先週、上空ではっとする人命救助の話によってあなたのことを知った。飛行中に乗客が心臓発作を起こし、あなたの救助によって一命をとりとめた。
-そう。オルチュン・サユン機長の指揮の下ハンブルクからイスタンブルへ戻る所だった。着陸のため、機体は降下し始めていた。客室乗務員がやってきて、乗客の一人(ヒルミ・ギュレル)が体調を崩したので機内の温度を下げてほしいと言った。実は正常な温度であったが、病人が楽になるように機内の温度を下げた。その後、機内の救急セットを開けるように告げて、病人に酸素を吸入する許可を求めた。2分後に機内にある電話で乗客に心臓発作が起こったと伝えた。
客室乗務員はどうして気が付いたのか。機内に医者はいたのか。
-いいえ、医者はいなかった。しかし、客室乗務員はしっかりとした教育を受けている。このような状況での処置は明白である。ところで、私はすぐに状況を知らせて、管制塔と連絡を取った。管制塔はすぐに優先権を与えた。滑走路にもその時には医療チームが待機した。10分で乗客を病院に搬送できた。客室乗務員、管制塔、医療チームの処置が適切だった結果、幸運にも乗客は助かった。
着陸のために下降した状態でなく、上空であったら。
-十分な医療措置の取れる最も近い場所に降りただろう。
このような出来事は頻繁に起こるのか。
-もちろん。5回か6回は。心臓発作、てんかん、気絶など。もちろん、飛行中に起こる可能性のある状況について、私たちは定期的に教育を受けており、六ヶ月に1度シミュレーションでのテストを受けている。試験を通過できない機長には飛行する権利は与えられない。このような多くの悲惨なシナリオに対して、どう対処すべきかわかっている。例えば、私はエンジンが1つの状態で着陸しなければならなかった。
どういうことか。
-仕事に就いて2年目だった。アンタルヤを出発した。エンジンに鳥が入って、停止した。すぐに引き返した。
エンジンが故障し、パニックにならなかったのか。
-自分の身に起これば、あなたも冷静に対処するでしょう。つまり、多くの命が委ねられているのだから、仕事には。
■父の望みを叶えた
女性はふつう客室乗務員のほうがより相応しいとされている。女性機長を見慣れてはいない。
-あなたの驚きは普通だ。数多くいないからだ。六千人のパイロットがいるトルコ航空で女性パイロットは200人いない。150人くらいである。それもあなたの記憶には…。
身近に多くの例がないが、あなたはなぜパイロットになろうと決心したのか。
-私の家族がとても協力してくれた。これは彼らの夢だった。実際、父の夢であった。彼は、クレリ軍学校卒である。しかし、目の治療を受けたため、地上勤務になるしかなかった。母も客室乗務員になりたいと考えていたが、祖父が許可しなかった。二人の夢を合わせ、空に私の居場所を見つけた。
何年間この仕事をしているのか。
-現在、副機長である。近いうちに機長になることを期待している。27歳である。2007年にグライダーの免許を取得した。1年後にもパイロットの教育を受け始めた。8年間働いている。最初の2年間は教育を受けた。2010年にオヌル・エアーに就職した。2年後にアトラス・ジェットに転職し、2年後にトルコ航空に移った。
男性中心の職業で女性として仕事をするのは簡単ではないに違いない。どのように周囲の反応に対応しているのか。
-正直、悪い反応に出会ったことはない。出くわしたのは、むしろ驚きである。みな、どのように始めたのかを聞いてくる。特に、タクシーの運転手とこのような会話になる。「お姉さん、どうやって始めた」など。皆の頭の中は、まず「始め」の点である。
さて、女性パイロットの人数がこれほど少ない中で、女性機長と飛行したことはあるのか。
-2回だけあった。1度目はアトラス・ジェットでバフトシェン(・ウルケン)機長と。トルコ航空で初飛行の際に、極めて短時間、女性機長と飛行した。しかし、全ての乗務員が女性である飛行は全くなかった。
女性機長を選んだのか。
-もちろん。とても喜ばしいことで、親近感がわく。つまり、私たちは皆、お互いの状況を理解している。職業上の困難を認識できる。
なにが大変か。
-肉体的な意味では消耗する。とても疲れる。高度、放射線、気圧が疲れさせる。気圧によって、内臓が疲れる。男性と違うものとして、浮腫、生理の問題も付け加えよう。例えば、私の抱えている問題は胆石である。つまり、この仕事は女性の方がより疲れるだろう。
厳しい生活リズムでどのように彼氏を見つけるのか。
-彼氏はいない。見つける時間もない。いつも空にいるから。私に興味を示す人はいるが、いつも働いているため難しい。しかし、それはおろか、パイロットは新しい人間関係を築くのさえとても難しい。
なぜ。
-新しい人たちと知り合う機会がない。同僚だけと友人関係を築く。私たちパイロットの生活は誰のプログラムにも適していないから。同じ時間帯に働くこともないし、同じ時間帯を使うことがないから。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:41599 )