欧州議会トルコ担当官問題から、使節トルコ入りキャンセル
2016年11月17日付 Hurriyet 紙
欧州議会でトルコのEU加盟交渉の一時停止のための取り組みが始められている。そんな中、カティ・ピリ欧州議会トルコ担当官との関係悪化が原因で予定されていた欧州議会の使節によるアンカラ訪問が中止となった。
オメル・チェリキEU相がブリュッセルを訪問した翌日の15日、欧州議会外交委員会のエルマー・ブローク委員長がアンカラを訪れ、高官級会合を行う予定だった。トルコ政府は、近年の会合や「交渉凍結」提案、トルコで騒動を引き起こしたカティ・ピリ欧州議会トルコ担当官が欧州議会のシュルツ議長によって使節に参加することに強く反発を示した。政府は欧州委員会に対し、「ピリ氏が欧州委員会に所属しているという状況であるが、ブローク氏との話し合いには応じる。しかしピリ氏が話し合いに参加することは阻止する」とのメッセージを伝えた。欧州議会は、トルコの態度を許容することはできないとして、使節の訪問を中止した。チェリキEU相は14日の訪問で、ピリ氏を強く非難していた。
■ハーン委員問題
トルコ担当官問題で欧州議会との関係が悪化する一方、ヨハネス・ハーン欧州近隣国政策・拡大交渉委員問題を中心に、欧州委員会(EC)との関係にも亀裂が生じている。ハーン氏が一連の記者会見で「これはこのように続けることはできない。トルコと交渉の席に着かなければならない」として、自身に権限を渡すよう要請したことでアンカラ政府は我慢の限界に達した。トルコ内では、ハーン氏は「欧州連合(EU) の言葉で」話すのではなく、自分のイデオロギーに基づいてアプローチをし、政治的な態度で動いているという考えが主流だ。
■「反トルコ決議」の動き
欧州議会はさらに関係を後退させるような動きをみせている。議会では、トルコのEU加盟に寛容な政治的団体が支持する「基本的な自由、民主主義、人権の尊重、法の支配という原則に反している」という理由で加盟交渉を凍結させる決議が議題に上がろうとしている。この動きが進めば、来週の議会で投票に持ち込まれ、承認される可能性が高い。この決議は(トルコと欧州を結び付ける)接着剤にならないであろう。それでも承認されてしまった場合、加盟国に対する圧力を強めるといった影響が出る可能性もある。
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( 翻訳者:星井菜月 )
( 記事ID:41615 )