エユプのショッピングモールで、万引き少女を裸にして取り調べ
2016年12月08日付 Cumhuriyet 紙
イスタンブルのエユプにあるVialandショッピングセンター内にあるコスメティックストアのWatsonsにて、口紅を万引きしたとの疑いをかけられた高校3年生の女子生徒が、店舗責任者およびショッピングセンターの警備員によって衣服を脱がされた状態で取り調べられた。女子生徒B.C.は、取り調べには2人の男性警備員もいたと述べ、「精神的苦痛を受けた」と話した。Watsonsは本件に関するコメントを出し、「万引き行為が行われたことに関し強い疑いがあった」とし、取り調べ行為を正当化した。
11月26日に発生した事件について、女子生徒のB.C.は自分の口紅をもって店舗に入ったとし、(持っている口紅と)類似の口紅を見て、商品の口紅を元の場所に戻 したと述べた。エヴレンセル紙のエリフ・エキン・サルトゥク記者およびデルヤ・ドゥルスン記者の記事によると、B.C.はその後店舗責任者と警備員によって万引きの疑いをかけられ、店舗の在庫置き場に連れて行かれたと主張しており、その模様を次のように話した。
■「男性警備員もいた」
「在庫置き場でズボンを膝まで下ろされ、ブラウスとブラジャーを脱がせられて取り調べられた。取り調べには2人の男性警備員もいた。警備員は、ただ後ろを向くようにと言われただけだった。在庫置き場には監視カメラもあった。店舗責任者から何度も『万引きしたんだろう』と言われ、頭を叩かれながら『泥棒、しつけがなっていない』と侮辱された。」
■「ここから無事に出られてよかったな」
B.C.は、取り調べの後友人から電話がかかってきたこと、店舗責任者と警備員がその友人も呼び出し、在庫置き場に連行して万引きの疑いで衣服を脱がせて取り調べたと主張し、また店舗責任者から「今日は自分の機嫌の良い日でよかったな。そうでなければ、もっとひどいことになっていた」と言われたと話した。一方、B.C.の友人に対しては、警備員の一人が「その通りだ。そうでなければここから腕も脚もケガなく無事には出られなかったぞ」と発言したと述べた。
B.C.はその後家族に事件の顛末を話し、家族が警備員および店舗責任者について苦情を訴えたと述べた。
■店舗責任者:私はやっていない。警備員がしたことだ。
本紙が取材を行ったWatsonsの店舗責任者は、取り調べの最中は現場にはいなかったと話した。店舗責任者は、在庫商品の確認が行われ、その数に不足が出たと主張し、「マニュアルに則りショッピングセンターの警備員を呼んだ。警備員が到着した後のことには、我々が関与することはできない。我々が身体検査に同席したとしても監視カメラの記録は警察に提出されている。供述した通り、身体検査を行うのは警備員だ」と述べ、自身に関する疑惑を認めなかった。警備員らは、本件について話そうとしなかった。
■Watsonsのコメント:お客様が万引きを行ったことに関する強い疑いがあったため…
コスメティックストアのWatsonsから「裸の取り調べ」に関する2つのコメントが出された。Watsonsは最初のコメントで「強い疑いがあったため」としたが、次のコメントにて「お客様が男性警備員によって衣服を脱がされた状態で取り調べられたことに関する報道は事実ではない」との表現を用いた。本件が明らかになった直後に出されたコメントは次の通り。
2016年11月26日にイスタンブルのVialandショッピングセンター内の店舗にて発生した事案およびそれに続く一連の出来事を、我々は発生から見守っています。
我々が把握している情報によれば、イスタンブルのVialandショッピングセンター内の店舗で、1人のお客様が万引きを行ったという強い疑いがあったため、店舗スタッフがお客様を呼び止め、すぐに内容をショッピングセンターの警備部門に伝え、警備員が現場に到着しました。
取り調べの最中、お客様に不適切な形で身体検査が行われたことに関して、お客様およびご家族が苦情を訴えたことが報道されています。本件に関する主張に関し、遺憾に存じます。主張されている不適切な身体検査行為に関し、社内調査を進めております。社内調査において本件に関与した店舗スタッフを職務からはずす措置をとっております。
本件の(内容の)繊細さに配慮して、お客様およびご家族と連絡をとっていることを明確に申し上げます。これら一連の出来事における主張が正しいかどうかが近日中に明らかにされるよう、我々にかかるいかなる義務も遂行する所存であると申し上げます。
■2つ目のコメント:報道は真実を反映していない
Watsonsが夜中に出した2つ目のコメントでは、以下のことが述べられた。
Vialand内の店舗で発生した事案において、お客様が男性警備員によって衣服を脱がされて取り調べられたという報道は真実を反映しておりません。本件にてお客様とやりとりをしたのは女性警備員です。Watsonsは、本件に関する監視カメラの記録を早急に司法当局に提出いたしました。
Watsonsとして、店舗にてこのような事案が発生したことに対し、誠に遺憾に存じます。また、世論が抱く微細な感情の動きを我々も心から感じております。
Watsonsの店舗における警備マニュアルは非常に明瞭であり、個人の個人的権利の侵害は決して認めておりません。全社員はこのマニュアルに関ししっかりとした教育を受けており、また管理されております。
本件に関する捜査は、司法当局との協力のもと綿密に進められております。本件において我々にかかるいかなる義務も遂行する意向であります。本件の責任者にはいかなる斟酌も加えはしないと申し上げます。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:41722 )