欧州協議会ベネチア会議「トルコの非常事態令は過剰」
2016年12月10日付 Cumhuriyet 紙
欧州評議会の憲法に関する諮問機関であるベネチア委員会はトルコにおける非常事態令は「対策」の範囲を大きく越えていると指摘した。委員会は実施内容が公務員を停職にすること以上に追放すること、組織を一時的に国の監督下に置くこと以上に粛清することに及んでいると指摘した。
7月15日以降のトルコでの出来事に関する法的根拠を形成することになっているベネチア委員会は、非常事態令の期間中にとられた決定や施行内容に関する見解を示した。ベネチア委員会はトルコには非常事態を宣言する十分な理由があるとしつつ、適用された措置はやり過ぎだとした。委員会は、以前に法律と同等の効力を持つ政令(KHK)に関する申請を却下した憲法裁判所が司法の監視機関の権限を担う必要があるとの見解を示した。
欧州評議会の議員会議監視委員会の要請でベネチア委員会は見解を示した。今後欧州人権裁判所をはじめ、7月15日クーデタの後に始まった司法プロセスに影響するその見解は次の通り。
トルコ当局は「危険な軍事的脅威」に直面し、非常事態を宣言するのに「十分な理由」があるが、政府によってとられた対策はトルコ国憲法と国際法が認める範囲を大きく超えている。
公務員を停職にすること以上に追放すること、組織を一時的に国の監督下に置くこと以上に粛清することに及んでいる。
非常事態令下における憲法の条項はヨーロッパの基準に合っているように見えるが、政府は圧倒的な権力を人身攻撃に使った。何万人もの公務員がKHKで明らかにされたリストにより解雇された。この集団解雇はどのケースも正当化できる証拠がない。このリストを作るスピードは集団解雇に際し最低減のプロセスすら踏んでいないことを示している。この解雇は通常の裁判所による司法の監視を受けておらず、少なくとも司法の監視が行き届いていたかは議論すべき問題である。国家にこのような粛清や強力な恣意的行為が表れてきている。
委員会は、ギュレンのネットワークへの結びつき、もしくはその他の組織が結びつきを疑われることによって「テロリスト」と定義されていることを知っている。しかしその中身は非常に薄弱なもので、必ずしもこの組織との本当に意味のある結びつきは必要とされておらず、これが公務員の忠誠に関する疑いにつながっている。ベネチア委員会は、ギュレンのネットワークがクーデタ未遂に関与したと仮定しても、このネットワークと関わりのある者たちに対する懲戒罰にまでつながるべきではないと強調した。
委員会は、憲法裁判所が非常事態令KHKを取り扱う権力について不明確であることを懸念している。憲法裁判所が取り扱わないといけないのだ。
私たちは逮捕権に対して司法の監視なしに容疑者たちを30日間拘束する権限を批判している。また委員会は、逮捕された容疑者たちが弁護士と連絡を取る件で制限が課されているのは例外的である必要があると考えている。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:41731 )