ギュレン派映画は6本、700万人がみた
2016年12月26日付 Hurriyet 紙


 トルコ国民議会の「ギュレン派と7月15日クーデター未遂調査委員会」が用意した暫定概要報告書では、ギュレン派の映画製作と、映画におけるサブリミナル効果を用いたメッセージにも言及された。また、ギュレン派が2009年以降6つの映画を撮り、約700万枚のチケットが売れたことが強調された。報告書によると、組織のイマームたち(注:「組織のイマーム」とは、ギュレン派の工作員をさす)は、兵士たちと週末に映画館で会合していたそうだ。ギュレン派の人々は、会合の際、自分たちは「左派傾向の人間」にみえるような服装をしていたという。

■ 平均動員数100万人

 報告書は、次のように記す。「ギュレン派は、映画館でその姿を2009年に見せ始めた。Kelebek(蝶、2009年)、Eşrefpaşalılar(エシュラフパシャ家の人々、2010年)、Allah'ın Sadık Kulu:Barla(神の敬虔な僕:バルラ、2011年)、Selam(挨拶、2013年)、Birleşen Gönüller(心ひとつに、2014年)、Selam:Bahara Yolculuk(挨拶:春への旅、2015年)といった映画が公開された。これらの映画では約700万枚のチケットが売れた。トルコにおける映画一作あたりの平均動員数が10万人程度なのに対し、これら6作品の平均動員数が100万人を超えている。また、映画とはあまり縁のない団体が制作したにもかかわらず、この数字をとったことは、注目を集めるものだった。上記の映画は、トルコで何百ものホールで上映された。映画評論家によれば、こうしたことは普通の映画ではありえない。」

■ サブリミナルメッセージ

 「ギュレン派の映画の基本的な物語は、奉仕(ヒズメト)活動である。一般的に、遠い地方あるいは国に行く教師、医者またはイマームについての故郷愛、ホームシック、奉仕への情熱、そして組織の重要性が強調されていた。しかしいくつかの映画でこの物語上でサブリミナルメッセージが与えられていた。」

 「最初の映画『Kelebek蝶』では、メヴラーナに影響を受けたある組織の海外活動が描かれていた。組織の一員が、アフガニスタンで教育と医療の奉仕活動をしていた。アメリカと親しい関係にある組織の重要な奉仕活動の一つは、アメリカに学生を派遣することである。映画の興味深い部分の一つは、組織=タリーカのメンバーが、テロの話題で、米元大統領ブッシュと同じ考えであることだ。唯一の罪人は、アルカイダやタリバンのような組織だ。アメリカは無罪であり、不当に評価されたのだ。この局面で映画は、アメリカ寄りの、穏健イスラム・プロパガンダを行っていた。」

 「『Eşlefpaşalılarエシュラフパシャ家の人々』においては、物語の主人公が理想主義者のイマームである。映画ではずっと「先生」と呼ばれている。この話は、「先生」がモスクに通わない人々を変えようとしている。映画中の先生がフェトラー=ギュレン師を表していることを暗に示している。映画のある場面で、『他人の罪に泣く男』という本を見せている。映画の最後での「謝辞」リストの1番最初にある「彼への」文がギュレン師に向けられているとの噂がメディアで主張された。映画『Kelbek蝶』と『Eşlefpaşalılarエシュラフパシャ家の人々』では、預言者ムハンマドについて全く言及されなかったことは注意をひく点である。」

 「ある奉仕活動の話から始まる『Selam挨拶』では、キリスト教、十字架、キリスト教式葬儀の映像により対話のメッセージが用いられた。映画『Selam:Bahara Yoluculuk挨拶:春への旅』は、奉仕活動のために海外へ渡った教師たちを話題に取り上げた。映画『Allah'ın Saldık Kulu : Barla神の敬虔な僕:バルラ』は、サイディ=ヌルシがバルラで過ごした幽閉生活をアニメとして描写した。映画『Birleşen Gönüller心ひとつに』は、1994年に、バトゥミ(ジョージアの都市)で始まり、メスヘティア・トルコ人に属する物語が、1942年に北コーカサスでの経験として描かれたことが注目を集めた。メスヘティア・トルコ人になされた不正な迫害がホロコースト映画に変えられたこと、ロシアの迫害について言及されなかったことを、イスラエルにもロシアにも伸ばされたオリーブの枝として見ることができる。」

■ 尾行に過剰に敏感な人々

 報告書では、組織内のイマームと兵士たちの会合は週末にカフェ、レストラン、映画館、家といった場所で行われていたと強調した。報告書では、イマームの兵士たちとの接触方法は、まとめると、以下のように、列挙されている。

「会合が行われる場所へ県の内・外から来ること、会合に来る人々は25歳から30歳の間で、大学生か大学を卒業していること、自分たちが左派傾向の人間であるという外観を示すこと、尾行に対して過剰に敏感であること、GSMをつかわないこと、使い捨て、または度数式の電話で連絡をとること、偽名を使うこと、「ByLock」(ギュレン派が利用しているアプリケーション)の解読と共に「Eagle」という名前のプログラムが使われるという指示が出されていたこと、会合後には多くの場合、同じ日に帰ることという形で、情報は得られた。」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:川田知果 )
( 記事ID:41844 )