イズミルで、長銃で武装したテロリストを相手にピストルで勇敢に応戦した末、殉職した警官・フェトヒ・セキン氏とその家族のため、まず change.orgでキャンペーンが始まった。その後ガラタサライのサポーターらが、アルタイでプレーしているフェトヒ・セキン氏の息子がガラタサライに移籍できるよう、キャンペーンを始めた。ガラタサライ・クラブはそのことについて「トルコ全国への約束」という声明を出し、息子のブラク・トルナイ・セキンをを自身の下部チームに組み込み、「教育奨学金」を含むあらゆる支援を行うと述べた。イズミル商工会議所とイズミル経済大学は、故人の三人の子供の教育費を賄うと発表した。
イズミルで、長銃で武装したテロリストを相手にピストルで勇敢に応戦した末、殉職した警官・フェトヒ・セキン氏とその家族のため、change.orgでキャンペーンが始まった。
キャンペーンを始めたエメル・エルダルさんは、大統領、首相、国会議長に呼びかけ、次の3つを提案した。
1.フェトヒ・セキンの名をイズミル裁判所前の大通りに付けよう
2.3人の子を最も良い私立学校で奨学金付きで学ばせよう
3.夫人に生涯にわたり退職国会議員年金を与えよう
ソーシャルメディアでは、数多くの人がキャンペーンを支持するメッセージを発している。
■「我々が教育資金を支援する」
フェトヒ・セキン氏の3人の子供たちについて、イズミル商工会議所とイズミル経済大学は教育資金を支援する。
イズミル商工会議所(İTO)のエクレム・デミルタシュ会頭とレビィ・アクドゥラク議長の名前で出された声明は以下の通り。
「2017年1月5日(木)、イズミル裁判所への攻撃で命を落とした勇敢なる警官フェトヒ・セキン氏は、イズミル住民の心の中で永遠に生き続けるでしょう。殉職したフェトヒ・セキン警官は、勇気と愛国の象徴となるその勇敢さをもって、イズミルが、そして我が国がテロには屈しないということを再び示しました。殉職したフェトヒ・セキン警官と、同じ攻撃で命を落とした裁判所職員のムサ・ジャン氏の聖なる記憶に、我々は哀悼の誠をささげます。忘れ去られることのないフェトヒ・セキン氏は、我々に家族を託しました。その子供たちの教育は、イズミル商工会議所とイズミル経済大学として支援します。イズミルは君のことを決して忘れないでしょう。」
■ガラタサライサポーターもサッカープレイヤーの息子のため、キャンペーンを開始
一方、フェトヒ・セキン氏の息子がアルタイでプレーしているのが判ってから、ガラタサライのサポーターもツイッターで「フェトヒ・セキンの息子をガラタサライに移籍させよう」とのキャンペーンを始めた。
勇敢な警官がフェイスブックアカウントでシェアしていた写真では、息子がアルトゥンオルドゥでサッカーをしているときに、スタンドから警察のユニフォームを着て観戦している様子が見られた(記事上の写真)。
■ガラタサライ・クラブも声明:「トルコ全国に向けて我々の約束」
ガラタサライ・クラブもキャンペーンについて声明を出した。公式サイトに掲載された声明は次の通り。
「ガラタサライ・スポーツ・クラブとして、昨日イズミルで発生した武装テロ攻撃にただ一人で立ち向かい、己の命を犠牲にして数多くの人々の命を救った勇敢な警官フェトヒ・セキン氏に再びアッラーによる慈悲があらんことを。ご夫人、3人のご子息、ご親戚、同僚の方々、そして我が国に対し、お悔みを申し上げます。
この悲劇的な出来事の後、故フェトヒ・セキン氏がガラタサライの素晴らしいサポーターであること、そしてご子息のブラク・トルナイ君もアルトゥンオルドゥの下部チームでサッカーをプレーしていることを知りました。
ガラタサライは、今日まで世間の知る、あるいは知らない数多くの社会的な事件で、この国の柱石のひとつであるという責任を自覚して活動し、求められる全ての義務を果たしてきました。今回も果たしますので誰一人ご心配なきよう。
ご存じのように、セキン氏の家族のご心痛は未だに癒されていません。この種の決定を行うには時期も尚早です。しかし、世論には次のように受け止めて頂きたく存じます。ガラタサライの下部チームの門戸は、セキン氏の遺族に後々まで開かれています。教育奨学金を含むあらゆる可能性を、ガラタサライはセキン氏のご家族、そしてトルコ全国にお約束します。」
■イズミルの各クラブも約束
イズミルのサッカークラブでも、殉職したフェトヒ・セキン警官の息子でサッカーを行うブラク・トルナイ・セキン君の支援に立ち上がった。 2006年生まれのブラク・トルナイ君はイズミル・ギュジュでサッカーを始め、アルトゥンオルドゥのU-10、U-11チームでプレーした後、少し前にアルタイの下部チームに移ったばかりだった。
アルタイ・クラブのオズギュル・エクメキチオール代表は、「バイラクル裁判所へのテロ攻撃で、命も顧みず大惨事を防いだ故フェトヒ・セキン氏にアッラーの慈悲があらんことを祈ります。ブラク・トルナイ君はまさに我々の子であります。勇敢なるフェトヒ・セキン氏のご子息はアルタイの下部チームにいます。フェトヒ氏のご家族に支援を行うのは、私たちの責務です。アルタイの経営者として、我が子にスポーツ・教育資金の全てを支援します」と語った。
アルトゥンオルドゥ・クラブのセイト・メフメト代表は、「我々はブラク君とともにあります。ブラク君の将来のため、単にサッカーにとどまらず、生涯にわたり寄り添い、支援する用意があります」と話した。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:41915 )