イスタンブル、雪の後
2017年01月09日付 Hurriyet 紙


何千人の職員、何百台の車両を動員し、何トンもの(凍結防止用の)塩が散布されたにも関わらず、イスタンブルは雪と氷に閉ざされた。積雪はときに1メートルを超え、学校は休みとなり、公共機関では午後休暇が出された。

世界有数の巨大都市イスタンブルで金曜日から続く大雪は、昨日も降り続いた。気象局は昨日朝、降雪量が一日を通して増加し、真夜中まで降り続けると発表した。ボスフォラス海峡付近やベイコズ、サルイェル、ウムラニイェ、マスラク、キャウトハーネ、ファーティヒ、ベシクタシュ、カヴァジュク、シシュリ、エユプ、アルナヴトキョイ、スルタンガーズィ、ケメルブルガズで吹雪となり、チャタルジャ-スバシュでは122センチの降雪が観測された。
イスタンブル市は昨日、公共機関における終業時刻を15時半とし、長距離輸送用大型トレーラー(TIR)の通行を禁止した。

■空、海が「止まった」

エミノニュ-カドゥキョイ間、ベシクタシュ-カドゥキョイ間、エミノニュ-ウスキュダル間のフェリーの運航が悪天候により見合わせられた一方、海岸警備総局は昨夜、ボスフォラス海峡の船の運航を2方向で禁止した。イスタンブル海上バスのすべての便と、ブルサ海上バスの多くの便が運航を休止した。
ターキッシュ・エアラインズは、アタテュルク空港とサビハ・ギョクチェン空港から発着する277の国内・国際便の欠航を発表した。昼頃にかけて雪の影響が大きくなると、両空港は閉鎖された。着陸を予定していた航空機は、アンタルヤやサムスン、ガーズィアンテプ、イズミルなどの空港へ誘導された。アトランタから10時間25分のフライトを経てイスタンブルへ到着していた飛行機も、トラブゾン空港へ誘導された。金曜日から228便のフライトが欠航に追い込まれたペガサス航空も、昨日は74の国内外便が欠航した。1918人の搭乗客にホテルを用意したペガサス航空は、2500人近い搭乗客に食事も提供した。
イスタンブルで4日間にわたって降り続いた雪は、道路交通をも混乱に陥れた。道路の分岐点で車両が停止した影響で、ケメルブルガズ欧州自動車道路が封鎖される事態となった。封鎖の終了を待ちきれない人々は、逆方向のオクメイダヌ方面へと向かった。退勤する人々は、雪で覆われた道をゆっくりと進んでくるバスを、停留所で長時間待ち続けた。

■1987年の記録を更新

1987年3月、イスタンブルで15日間降り続けた雪は80センチを観測していた。イスタンブルで過去に記録された降雪は以下の通り。
2001年:40センチ
2004年:41センチ
2005年:15センチ
2006年:36センチ
2012年:10センチ
2013年:10センチ
2015年:21センチ

■「雪休暇」の反乱

マルマラ大学は、雪の影響で大学を休業とすること、試験を中止とすることを、約7000人の学生に対して朝8時の時点で公表したことが大きな反感を呼んだ。試験が延期されたことを知らずに大雪の中を登校した学生たちは、Twitterのハッシュタグ「#marmararezaleti(外道マルマラ)」で反感を示した。マルマラ大学は、試験延期の発表を行う15時間前に、Twitter公式アカウントにおいて、試験が実施されるという通知を行っていた。

■イスタンブル各地の積雪量

チャタルジャ、スバシュ:122センチ
ハドゥムキョイ、ヤッスオレン:105センチ
ビュユクチェクメジェ、スルタンガーズィ、アルナヴトキョイ:68センチ
バシャクシェヒル、エセンユルト、ベイリキデュズュ、ガーズィ・オスマン・パシャ:62センチ
アーヴァ、テケ、ベイコズ、サルイェル、ゼケリヤキョイ:55センチ
アーレムダー、オメルリ、アリベイキョイ、キャウトハーネ、マスラク:45センチ
ウウル・ムムジュ、チャムルジャ、バフチェリエヴレル、キュチュク・チェクメジェ:35センチ
チェクメキョイ、ウムラニイェ:30センチ
アタシェヒル、マルテペ、カドゥキョイ、ウスキュダル、シレ、ベシクタシュ、バクルキョイ:20-25センチ
ペンディキ、カルタル、トゥズラ:10-15センチ

■アナトリアは真っ白

イスタンブルで2009年以来最も多い降雪量と厳しい寒さが観測されるなか、東アナトリア地域では昨夜、最も低いマイナス23度がカルスで観測された。トラキア、西・東アナトリアでも一日中雪が降り続け、何千もの村で道路が雪に埋まった。幹線道路でも様々な問題が発生した。アダナ県コザン郡で雪の中立往生した二人の女性ハティジェ・ユルマズさん(69歳)とヒュスネ・ジャンボラトさん(61歳)は、6時間かけてやっと救出された。

■消防にも障害が

ボル県メンゲン郡のビュルネキ村にあるシリンヤズ・ダム付近で発生した火災により、6張りのテントが全焼した。
テキルダー県チョルル郡では、雪と厳しい寒さの中、凍死する人がないよう、半壊した家々の中に残っている人がいないか手持ちランプで捜索した。この捜索により、4人が発見され、病院へ搬送された。
ウスパルタ県では、異常な寒さと降雪によって腹をすかせた野生馬が町へと下りてきた。4-5頭の野生の馬は、ウスパルタ中心部のバトゥケント街区の住宅街近くのゴミ捨て場や木の下で食べ物をあさった。オルドゥ県アイバストゥ県、標高2千メートルにあるアラジャラル・ヤイラでは、1頭の馬と1匹の犬が雪の中に閉じ込められた。ヤイラにやってきた自治体の職員は、雪との長い格闘の末、馬と犬を救出した。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:41945 )