補助金の現金支給から6年、悪化する国民の台所事情—非科学的な政策のツケを検証する(1)
2017年01月19日付 Iran 紙
経済省の報告によると、「補助金の目的化」以降、各世帯の購買力は25%減少
【イラン紙5面:レイハーネ・ヤースィーニー】「時々、慈善団体から手仕事がきて、それをするとお金がもらえるんです。私たちの収入は、補助金も含めて1ヵ月で約80万トマーン〔※日本円で約2万6千円〕になります。補助金をもらってはいますが、どうにもなりません。〔‥‥〕補助金がもらえる前、当時の物価のおかげで私たちの暮らし向きはもっと楽でした」。
テヘランのシューシュ地区で、老いて仕事ができなくなった夫と3人の子どもとともに暮らすこの母親は、自らの家計についてこのように語る。
88年デイ月15日〔西暦2010年1月5日〕、第8期国会は「補助金の目的化(ターゲット化)」〔※エネルギーなどに充てられていた補助金を漸次廃止し、国民一人一人に現金を支給する政策のこと〕のためにアフマディーネジャード政権が提出した法案を可決した。
国会が可決した1週間後、護憲評議会がこの法律を承認し、かくして国民にとって物価上昇・インフレ以外の何ものをももたらさないだろうと多くの専門家が考えた法案は、16の条項と16の補足事項とともに、法律へと姿を変え、その1年後、正式に施行された。そして今、その日から6年の月日が流れ、すべてが様変わりした。
補助金目的化法の施行の過程で、約240兆トマーン〔※日本円で約8兆円〕の現金による補助金がイラン国民に支給された。現在、補助金を受給している人の数は7400万人に及ぶ〔※ママ。今年に入り、300〜400万人の高所得者層への現金の支給停止が発表されている〕。補助金目的化法が施行されてからの6年間で、イラン国民は一人頭、323万500トマーン〔約11万円〕を受け取ってきた計算になる。
つづく
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( 翻訳者:8412307 )
( 記事ID:42058 )