核合意がなければイラン経済は破綻していた―専門家らが指摘(3)
2017年01月19日付 Iran 紙

人々の台所事情に核合意が影響を及ぼすには時間が必要

 経済専門家で大学教授でもある別の人物は、このことについて本紙に次のように述べている。

大統領は核合意1周年記念で、この政治的成功がもたらした経済的成果を明確に指摘した。しかしこの成果が人々の生活に実感されるには至っておらず、それゆえ成果などそもそも存在しないのだ、などとと主張する人たちも、一部にはいる。しかしながら、この種の思考はあまりに単純である。

 メイサム・ムーサーイー氏は、次のように言明している。

短期間で一部の問題に出口が見つかるなどと期待してはならない。制裁が科せられていた時期、イラン経済は良好な状況にはなかった。実際、仮に昨年〔=2015年3月下旬〜2016年3月下旬〕と同じような流れが今年〔=2016年3月下旬〜2017年3月下旬〕も続いていたならば、間違いなく、今頃国の経済は麻痺状態に陥っていただろう。当時、われわれは原油を輸出することができず、また輸出できた原油の代金も、国には戻らず、凍結されていた。

 同氏はさらに、「現在われわれは制裁前と同じ量の原油を輸出でき、その代金も受け取ることができるのであり、まさにそれが核合意の成果なのだ」と続けた。

 ムーサーイー氏は、次のように言う。

実際、イラン経済が現在、破綻していないことこそ、核合意がもたらしたプラスの効果なのである。しかしこの成果がどの程度プラスなのかについては、今後を見守らねばならない。確かに、われわれが核合意に期待していたのは、これ以上のものだった。イラン経済を世界のその他の経済と連結させる作業は、われわれが想像したようには進んでいない。もちろん、それも当然なのだが。

 経済専門家である同氏によれば、世界の民間企業や銀行、その他すべての経済関連機関がイランへの信頼を失ってから20年以上がたっているのであり、彼らの中にイランへの信頼と安心感を構築するには時間がかかるという。

つづく


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( 翻訳者:SH )
( 記事ID:42063 )