アンカラ大抗議集会に、警官隊介入
2017年02月11日付 Cumhuriyet 紙
非常事態に基づく諸政令(KHK)によって大学から追放された研究者が、「#いいや、出ていかない」の合言葉でアンカラ大学ジェベジ・キャンパスに結集しようとした。しかし、大学内へ入ろうとする研究者らに対して警察の取り締まりが行われ、催涙ガスやゴム弾を用いた警察が12人の身柄を拘束した。
アンカラ大学ジェベジ・キャンパスで研究者が追放されたことに対し、「大結集」と題したデモが行われ、国会議員、研究者、学生、卒業生らが参加したが、警察の強力な鎮圧行動によって学内に立ち入ることができなかった。追放された教師らの大学への立ち入りを警察が認めなかったために緊張が走り、催涙ガスや警棒、集団鎮圧用自動車(TOMA)を用いた鎮圧行動へと発展した。研究者らを支援した国会議員は警察によって殴打され、キャンパス内に入ることができなかった教師らの法服は警察官の靴で踏みつけられていた。
研究者らが入ることができなかったキャンパスには警察が入り、現在も鎮圧行動を続けている。12名の教育関係者と学生が殴打され、身柄を拘束された。アンカラ大 学ジェベジ・キャンパスでは、最新のKHKによって73名の研究者が追放され、このことへの反発として教育・科学勤労者組合アンカラ第5支部の呼びかけによって「大結集」デモが行われ、それに対して警察が鎮圧行動を行った。追放された研究者、国会議員、市民社会組織、他の大学から支援のために訪れた教育関係者、それに学生は、キャンパス入り口の閉ざされた門の前で数百名の警察機動隊と対峙した。警察と治安維持部隊が、追放された研究者らが大学構内に入るのを妨害したために緊張が走り始め、学生が学生証を提示したにもかかわらず構内に入れなかったことでその緊張は続いた。
■知識が踏みつけに
キャンパス入口で警察が実力行使による鎮圧行動を行ったことに対し、共和人民党(CHP)のアリ・シェケル議員は、「これがファシズムでなくて、また明白な独裁主義でなくて、何であろうか」と問うた。その時、1人の学生の身柄拘束を妨げようとしたCHPのオルハン・サルバル議員が、警官と言い争いになった。サルバル議員は「大学を大学たらしめる価値を、ここから追放する権利は誰にもない。無知を内に抱える者は、大学を敵視し続ける」と言った。追放に反発する研究者らは「我々は宮殿には行かない。如何なる人の前でも法服のボタンを閉めない」と述べ、法服をジェベジ・キャンパスの入口に置いていった。ジェベジ・キャンパスの学生らは「独裁くそったれ、自由万歳」のスローガンを掲げてキャンパスの門に陣取ったが、警察によってそれは崩された。
警察は研究者らが残していった法服をその靴で踏みながら通り過ぎ、催涙ガスやゴム弾で鎮圧行動を始めた。政治学部の学部長だったヤルチュン・カラテペ氏をはじめとする何人もの研究者が入口のあたりで演説を試みた際、教育・科学勤労者組合のカムラン・カラジャ議長も鎮圧行動に遭った。ヤルチュンテペ氏の「誰からの命令か」という問いに対し、警察官は 「ギリシア大使からの命令だ」と返答したとされている。キャンパスではTOMAが巡回し、施設内に立ち入った警察官が学内を回って研究者や学生らの身柄を拘束した。12人が身柄を拘束され、その中には研究者も含まれている。ジェンキ・イイテル氏は追放された研究者の1人であり、私服警察によって暴力を振るわれたと証言し、「何人かの友人に機動隊は暴力を振るった。これら全てはキャンパスの安全責任者の目の前で起きた」と述べた。
■別れを惜しむ予定だった
事件の後、研究者と国会議員らは、政治学部の建物で声明を読み上げ始めた。以前に追放されたセヴィライ・チェレンキ准教授は、「我々は今日、ここで静かに演説し、お互いに別れを惜しむ予定だった。友人と行うフォーラムで現状を検討する予定だった。あなた方は1日すらも耐えられなかった。攻撃性がここを目標としたため、この大学ではここ3年で150件に迫る取り調べが行われた」との演説を始め、その時再び警察が鎮圧行動に動いた。
■暗闇の英雄
共和人民党(CHP)所属の国会議員らが目の前にバリケードを作って鎮圧行動を妨害しようとすると、警察官と国会議員の間に争いが発生した。口論の後も演説は続けられた。CHPのセリン・サイェキ・ボケ報道官は「我々が知る限りでは、この暗闇は敗れ、新たなトルコのストーリーが知識人と共に書かれるだろう。この暗闇の兵に対して語り掛けよう。あなた方の暗闇に降伏しない数百万もの人々が私たちだ。屈することはない。ここにいる、そしてどこにも行かない」と述べた。
事件に関してCHPのヴェリ・アーババ議員は、「トルコはこれらに降伏しない。教育者に、そして70歳や80歳にもなる大学の先生たちに対するこのような扱いを非難する」と述べて批判した。警察の鎮圧行動を、大学の民間警備員も影響を受けた。コミュニケーション学部(İLEF)の民間警備員であるユスフ・オクヤイ氏は、鎮圧行動の際に心臓発作を起こし、集中治療室へ搬送された。
■12人が身柄拘束
国会議員が大学キャンパスに立ち入った後、機動隊と私服警察もキャンパスに入った。争いが発生し、警察は教育関係者や学生に対して催涙ガスとゴム弾で鎮圧行動を行った。機動隊は同大学のコミュニケーション学部棟へと走って向かい、建物内に入ってそこで教育関係者1名と学生1名の身柄を拘束し、キャンパス外へ連行した。警察隊はその後、政治学部棟へ入り、そこで3人(教育関係者1名、学生2名)の身柄を拘束した。この事件では、合計12人が身柄を拘束され、その中には教育関係者もおり、6名の女性もいた。
私服警官1名が、アンカラ大学法学部から追放されたジェンキ・イイテル氏に暴力を振るった。イイテル氏は「何人かの友人は機動隊に暴力を振るわれていた。これら全てはキャンパスの安全責任者の目の前で起きた」と述べた。
警察は、政治学部のヤルチュン・カラテペ元学部長と教育・科学勤労者組合のカムラン・カラジャ議長、人権協会のオズテュルク・テュルクドアン議長にも暴力を振るった。機動隊は大学キャンパス内で待機を続けている。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:42136 )