■エジプトのインフレは一気に29.6%へ
【カイロ:マールスィール・ナスル】
「中央動員統計局〔CAPMAS〕」によれば、1月のエジプトの年間インフレ率は、前月の24.3%の記録を超えて、一気に29.6%に上昇した。これは、最近エジプト政府が行っている経済政策の結果である。
CAPMAS局長のアブー・バクル・ジュンディー氏は、「先月のインフレ率の上昇はエジプトの現状を反映しており、商品・サービス価格の上昇がその要因である」と明らかにした。同氏は加えて、「価格上昇の大半は米や〔牛〕肉、鶏肉、卵、バターなどの食料品である。また、政府が同期間にとった政策が価格上昇を引き起こしている」と述べた。また、「一部商品の価格上昇はドル価格の上昇に起因するもので、これは理に適ったものであるが、国内製の商品で不当に価格が上がったものもある」と強調した。
飲食品の価格上昇率は、12月に年間29.3%であったのものが、1月には38.6%へと膨れ上がった。エジプト政府は、昨年9月の第2週から通常価格の増加に伴う付加価値税の適用を始めている。
昨年11月、エジプト中央銀行は完全な形でのエジプトポンド変動相場制への移行を宣言し、外国通貨の売買の価格設定について、国内で営業する銀行に自由を与えた。その決定の数時間後、政府は、7.1%から87.5%の比率による、ガソリン、重油、軽油、灯油、自動車用ガス、住宅用ガスの価格の増加を公表した。
投資銀行のアナリストたちは次のように予期していた。「エジプトポンドの変動相場制への移行と石油製品の価格上昇は、商品・サービス価格の大きな上昇を引き起こすだろう。それは、輸送・交通費や、これまで公式レートのドル価格で入手されていた食料・薬品価格に強く現れてくるだろう。」
国際通貨基金〔IMF〕のエジプト・ミッション団団長のクリス・ジャーヴィス〔Chris Jarvis〕氏は、「エジプトのインフレ率は、政府が赤字予算の縮減と市中通貨の減少の責務を果たすことにより、今年の第二四半期には収縮することが予想される」と述べた。
アブドゥルファッターフ・スィースィー大統領が政府に価格を統制する必要を求めたにもかかわらず、商品価格上昇の危機は、エジプト人の生活に大きな圧力をかけるレベルにまで到達している。
(後略)
この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:城戸優希 )
( 記事ID:42159 )