イスタンブルで総額1300万リラの「サイバー詐欺師」作戦が行われた。ネットワークを辿って押収されたハードディスクからは、約100万人の姓名、トルコ共和国IDナンバー、住所、クレジットカードの情報などが流出していた。
イスタンブル・サイバー犯罪担当局に多くの人が押し掛け、そこで銀行口座の情報以外に現金が引き出され使用されていたと主張した。警察はこれに関して調査を開始し、あるネットワークを割り出した。警察はそのネットワークを、6か月の間にわたってネット上で、また現実世界でも追跡していた。サイバー犯罪対策室とスルタンガーズィ郡警察局の捜査陣が2月初週の別々の日にネットワークに対して取り調べを行い、合わせて16人が身柄を拘束された。捜索ではノートパソコン6つ、ハードディスク10つ、金銭、多数のUSBメモリー、携帯電話が押収された。
■ネットワークのメンバー、銀行に就職
警察捜査陣はネットワークのメンバーであるイスマイル・Yが銀行に就職した後、カードの利用限度額が高い顧客の情報をネットワークに流出させていたことを明らかにした。イスマイル・Yと、ネットワークのリーダーであるとされるメティン・Eが、以前同じコールセンターで働いていたことが分かっている。
■銀行のコールセンターのように連絡が行われる
警察は以下のような形で、ネットワークの作業システムを明らかにした。ネットワークはインターネットを通じた特別なシステムによって、自らの使用する番号を銀行のコールセンターの番号のように見せ、連絡を取っていた。ネットワークの専門家らは銀行職員と自ら名乗った後、電話を掛けた相手の個人情報すべてを電話で確認して了承を得ていた。これについて「あなたの銀行口座を通じて疑わしい行動がなされたようです。この操作を除くために、携帯電話に送られるパスワードを我々と共有してください」と送られてくるパスワードを手に入れ、銀行口座の金をインターネット・バンキングによってネッ トワークの他のメンバーに送っていたこと、そして短期間で異なる人を通じて金を引き出していたことが分かっている。
■100万人の個人情報、ネットワークに
サイバー犯罪担当局の部隊が押収したハードディスクを調べたところ、約100万人の姓名、トルコ共和国IDナンバー、住所、クレジットカード番号のはじめの数字と最後の4ケタの数字などの情報が発見された。警察が押収したデジタルデータの調査は続いている。
■1年で約1300万リラの損害
ネットワークのメンバーが行った銀行での犯行に対して警察が行った調査に基づく第1回発表によると、犯行によって1年で約1300万リラの損害があったということだ。これを受け、地券局と関連組織に、容疑者らについて、彼らの住民登録がなされている家と彼らが用いた車の情報を求めている。
■11人の身柄拘束
サイバー犯罪対策局での手続きを終了した16人は、裁判所へ送検された。容疑者のうち、ネットワークのリーダーだとされているメティン・ Eと銀行で働いていたメンバーであるイスマイル・Yを含む11人は、送検先の裁判所によって逮捕された。他の5人は保護観察を条件に釈放された。容疑者らがATMから現金を引き出す様子が防犯カメラに映っていた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:42170 )