レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、北イラクのメスド・バルザーニー大統領と昨日イスタンブルで会談した。北イラク大統領とトルコ当局の頻繁な会談は、シリアとイラクにおける対IS掃討作戦の継続に向けた新しい計画の策定と当該地域におけるエネルギー資源の世界市場への輸送のための新たな提携を明らかにする時期に来ている。
エルドアン大統領との会談に続き、本日、アンカラでビナリ・ユルドゥルム首相と会談を行う予定のバルザーニー大統領のカバンには、対IS軍事作戦の中でムスルとタッル・アファルの状況とテロ組織PKKのイラクにおける存在、キルクークの石油のイランへの輸送に関してイラク政府が行っている事業とロジャヴァ・ペシュメルゲのシリアでの兵士の配置についての情報が入っている。バルザーニー大統領は、2月19日にドイツのミュンヘンでユルドゥルム首相と会談した。バルザーニー大統領のトルコとの接触は、イラクのクルド人の新たな独立についての住民投票が話題に上り、アメリカと多くのヨーロッパの国から支持を望んでいる時期に実現する。
■ペシュメルゲの移動
取り上げられる議題の中にはシリアのクルド人が多く住んでいる地域に「ロジャヴァ・ペシュメルゲ」として知られているシリアのクルド人兵士たちの配備についても含まれている。
シリア・クルド国民会議は、バルザーニー大統領とトルコの協力によってロジャヴァ・ペシュメルゲの部隊をつくった。しかし、約7,000人いると言われているロジャヴァ・ペシュメルゲは、クルド民主統一党が許可を与えなかったためシリアには移動できない。
アメリカもクルド民主統一党との衝突の不安のためこのペシュメルゲを配置することをまだ支持していない。ロジャヴァ・ペシュメルゲがシリアにどのような立場で戻るのかに関して、過去にクルド民主統一党と北イラク当局が参加した会議が行われた。本紙に情報を提供したトルコ当局者がアンカラ政府は計画に熱い視線を送っていると述べた。
■キルクークの石油
訪問は、イラク政府とイラン政府の立場がいまだに議論されているキルクークの石油をイランから世界に売り出されることに関する合意書への署名の後に実現する。イラク石油省から出された声明によると、合意によるとキルクークから産出された原油を運ぶイラン経由のパイプライン建設が検討される。パイプラインが建設されたならば、北イラクの領土も通過する必要があるだろう。イランはパイプラインが北イラクのシンジャール地方を通過することを望んでおり、シーア派の多いハシュディ・シャビ隊をこの地域に配置すると述べている。バルザーニー大統領は、トルコとの会談の直前に行った会見で、HDPの議員とセラハッティン・デミルタシュ共同党首の釈放を呼びかけた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:42207 )