インド税務当局(CBDT)は、インド=イラン間の商業取引拡大に向けてイラン産原油輸入代金を非課税扱いとした。
イラン学生通信(ISNA)によると、この決定は、イランへの制裁解除から1年少々経って実施された。その間に民間銀行のインダス・インド銀行は、イランと関わる全取引の簡略化に向けた準備が整ったことを発表している。
インド税務当局は2月23日付の公告で、イラン石油会社[訳注:国営]がルピー建てでインド企業から原油代金として受け取る所得は、2016年8月16日以降、課税対象外であると発表した。
インド輸出機関連合(FIEO, Federation of Indian Export Organisation)のCEOアジャイ・サハイ氏によると、イラン石油会社に課せられた税が免税を進めることで、同社がインドへの石油輸出によって受け得る資金の一部をインド国内に残し、同社のルピー支払いシステム上に有する預金を積み増しできるようになる。なぜならば、現状においてこの預金は、急速に減少しているからである。この措置は、インドの輸出業社の利益となるであろう。というのも、イランとの自由な通貨取引は、準備が整ったと宣言している限られた銀行を通さなければならず、未だに不安定であるからだ。
彼は、「自由為替取引とルピー建て決裁の仕組みによって、インドの輸出業者とイランの輸入業者に、より広範な選択肢が提供されることになる。特にイランの為替[リアル]レートが激しい変動に晒される時期は、猶更である」と続けた。
これ以前に、イランの核開発に対する国際的な経済制裁後に、2カ国はインドがイランに支払う石油輸入代金の45%を、米国あるいはEUのどちらでも投資活動を行っていなかった、インドのUCO銀行に預けることで合意していた。イラン側は、インドからの輸入代金の決済にこの預金を利用していた。ルピーでの預金水準は、イランへの輸出代金3ヶ月分に満たない金額であると言われている。
2016会計年度のインド=イラン間の貿易取引は総額90億ドルで、その内63億ドルが、45億ドルの石油代金を含むイランからの輸入であるのに対し、インドからの輸出は27億ドルしかなかった。2カ国間の貿易水準は、2011年から2012年に記録した162億ドルを下回っており、同期間のインドの輸出額は24億ドル、イランからの輸入額は138億ドルであった。
インドの通信社の報道によると、インド輸出機関連合はインド=イラン間の貿易を促進するため、2016年12月、インド中銀に対して、ペルシア国際銀行(Persia International Bank)やパールスィヤーン銀行(Parsian Bank)、パールサールガード銀行(Parsargad Bank)、メラット銀行(Bank Mellat)、サーマーン銀行(Saman Bank)などのイランの銀行にインド国内に支店を開設させるよう求めている。また同時にインドの各銀行もイランに支店を開設すべきであると要求した。
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( 翻訳者:AF )
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