『セールスマン』オスカー獲得 ─ イラン映画ファルハーディー監督が二度目の受賞
2017年02月27日付 Jam-e Jam 紙
アスガル・ファルハーディー監督[訳注:日本では英語での同監督の名前の読み方をそのまま採用した「アスガー・ファルハディー」を用いているが、本ページではペルシア語原音のそれに従っている]が、映画芸術科学アカデミーメンバーの投票により二度目の最優秀外国語(非英語)映画部門でオスカー賞を獲得した。
ハバルオンラインの引用による本紙によれば、映画『セールスマン[主演が演じるのは訪問販売業者、あるいは行商人に近い]』の監督がフェデリコ・フェリーンやイングマール・ベルイマン、ヴィットリオ・デ・シーカのような映画界の巨匠たちに名を連ね、ニ度以上最優秀外国語映画賞を獲得したと報道した。
シャリーズ・セロンとシャーリー・マクレーンは、同監督の代理として式典に出席していたアヌーシェ・アンサリーとフィールーズ・ナーデリーに最優秀外国語映画賞を贈呈した。
アンサーリー氏は受賞後、アスガル・ファルハーディー氏からの声明文を読み上げた。その一部が以下のとおりである。「私の欠席は、非人道的な法的措置により米国への入国を禁止された我が国国民と他の六か国の人々を尊重したものである」
アンサーリー氏の演説は、途中、列席者の熱烈な喝采によって何度か中断させられた。ファルハーディー監督が送った声明文は、次のように続いた。「私たちと敵の2つに世界を分割することは、争いや暴力を欺瞞で正当化する恐れを生む。この争いは民主主義の道を閉ざし、自らの暴力で犠牲となる国々における人権の障害となる。」
ファルハーディー監督は、2011年に一度、映画『別離[原題:ナーデルのシーミーンとの別離]』で最優秀外国語映画賞のオスカーに輝いているが、今回はトランプ氏の差別政策に抗議しオスカーの式典に出席せず、代理としてアヌーシェ・アンサーリーとフィールーズ・ナーデリーをこの式典に送っている。
『彼女が消えた浜辺[原題:エリーについて]』[などを制作したことでも知られる]同監督は、7カ国の国民の入国を禁じるトランプ氏の大統領令が実施された後に、声明を発表し、この措置に抗議して、例外的措置により自分が米国への入国を認められたとしても、オスカーに参加しないと宣言していた。
映画『セールスマン』は、第89回最優秀外国語映画賞を獲得したファルハーディー監督の七つ目の長編作品であり、カンヌ映画祭で初上映された。
主演タラーネ・アリードゥースティーとシャッハーブ・ホセイニーによるこの映画はまた、同映画祭において最優秀脚本賞と最優秀主演男優賞を受賞している。
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( 翻訳者:YK )
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