都市の文化的価値を保護する目的から、世界有数の観光名所の一つであるイタリアのベネチアではケバブ屋やファストフード店への制限が導入された。
ガーディアン紙に掲載された記事によれば、文化遺産や伝統を保護するため、カットされたピザを販売する店をはじめとし、いくつかの店舗に制限がかけられる。なお、地元の手作りジェラートを売る店に関しては、新規制の対象から除外されることも関係者から明らかになった。
■「ケバブ屋や他の料理を敵対視しているわけではない」
この話題で会見を行ったベネチア観光チーフのパオラ・マル氏は、「ベネチアの文化遺産保護および発展のための政策にそぐわないいくつかの行為に制限をかけたいと考えている」と話した。マル氏は、ケバブや他の料理を敵対視しているわけではないといい、「ベネチアのように非常に観光客の多い都市において、(ケバブなどの他文化は)都市のアイデンティティを喪失させるリスクとなる。それよりも前面に押し出さなければいけない地元産品がある。ベネチアの精神と持続性のためにも、規制はよいものとなるはずだ」との表現を用いた。
■ピクニック施設を設置
マル氏は、観光地域のファストフード文化を薄めるため、市内に複数のピクニック施設を設けることも計画されていると話した。
なお、これまで他のイタリアの都市ヴェローナでは、ケバブ屋の新規開店は禁止されたほか、フィレンツェでは新規開店する全レストランにおいて、提供する食材は最低70%を地元産とするとの条件が導入されている。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:42617 )