■社会慣習への抵抗が失業に直面するサウジアラビアの若者の武器
【ジェッダ:ウマル・バダウィー】
サウジアラビアの若者が、職を探し、安定した収入源を確保する方法は多岐に渡っている。世界の国々と同じようにサウジアラビアでも困窮は広がっているが、機会は多種多様に存在しているように見える。
失業率が悪化し12%に達したことを政府機関が認める一方で、SNS活動家は折に触れて、派遣留学国から稀少で重要な専門分野の優れた学位や資格をもって帰国する学生たちを脅かし、待ち受ける失業に関する話を取り沙汰している。
このような状況や、サウジアラビアの総人口のおよそ60%を占める若者たちが直面する現実を前にして、「国家変革計画」や失業率を7%に低下させることを目指す「ビジョン2030」の実現が期待されている。こうした中、一部の若者は、他の職業分野や前例のない分野、数十年間外国人労働者によって独占され、国内労働者の雇用の機会がなかった分野での経験に注目した。
サウジアラビアは2011年半ば以降、労働市場の改革や民間部門におけるサウジアラビア人労働者の割合の増加を目的とした計画を数多く打ち出してきた。また、民間部門における現行の雇用割当システムを改正し、特定部門における女性の雇用を義務化、サウジアラビア人従業員より多く外国人を雇う企業に罰金を課した。
徐々にだが、かつてサウジアラビア社会の集団心理を覆い、一部の若者が社会的な地位や役割を損なってしまうと考える職種に従事できなくさせていた否定的な見方から、社会は脱し始めている。しかし、失業へのプレッシャーや肉体労働者を高く評価する意識レベルの上昇は、この非論理的な見方から覆いを取り払った。このようなステップの有効性は高まり、迅速な結果と政府のプロジェクト支援、技術専門訓練校の果たす役割の拡大をもたらした。多くの部門や専門分野、小売業で外国人の労働が禁止された。サウジアラビア労働省は、19の職業において外国人労働者派遣のため定住・一時滞在ビザの発行を禁止した。
(後略)
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( 翻訳者:二見咲穂 )
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