タイイプ・エルドアン大統領は今日から中国、その直後にアメリカを訪問するが、この2か国は異なる時間帯にある。中国はトルコより5時間進んでおり、その後に訪問するアメリカはトルコより12時間遅れている。エルドアン大統領は中国からアメリカへ向かう予定であり、アンカラ―北京―ワシントンD.C.間の片道の移動だけで25時間かかる予定だ。エルドアン大統領は、ワシントンD.C.でアメリカ・トランプ大統領と初めて直接会談する予定だ。
タイイプ・エルドアン大統領は元々、5月14日~15日に中国を訪問する予定であったが、訪問は1日前倒しにされた。エルドアン大統領は、中国の「一帯一路」サミットに参加するために、今日11時に、アンカラより5時間進んでいる北京に向けて出発する予定だ。エルドアン大統領は、約11時間のフライトを経て5月13日朝に北京に到着する。エルドアン大統領は5月15日に中国訪問を終え、北京からワシントンD.C.へと出発する。約14時間のフライトの後、北京とワシントンD.C.の間に12時間の時差があるために、あたかも移動が僅か1.5時間であるかのように、5月15日にワシントンD.C.に降り立ち、 2日間にわたって重要な訪問を行う。エルドアン大統領は5月17日にワシントンD.C.での会談を終え、再び10時間のフライトを経てトルコに帰国する。
■北京で「一帯一路」フォーラム
エルドアン大統領は、北京での2日間の訪問で、国際協力のために「一帯一路」フォーラムに加わる。エルドアン大統領は中国・習近平国家主席と会談し、円卓首脳会議で演説を行う予定だ。国連のアントニオ・グテーレス事務総長、国際通貨基金のクリスティーヌ・ラガルド専務理事、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁、また28カ国の首脳と250人超の大臣が参加する会合では、エルドアン大統領、ロシア・プーチン大統領、習近平国家主席の3人が首脳会談を行うことも計画されている。この会談では、歴史上のシルクロードを活性化させることが念頭に置かれており、中国―トルコ間の高速鉄道、通商、情報学などの分野で新たな合意を形成することが計画されている。
■トランプ大統領に懸念伝達
1月20日にドナルド・トランプ米大統領が就任して以来、初めてエルドアン大統領とトランプ大統領の間での直接会談が実施される。その最重要議題は、クルド人民防衛隊(YPG)やフェトフッラー系テロ組織(FETÖ)のようなテロ組織との戦い、それにシリア情勢である。エルドアン大統領は5月16日の会談でトランプ大統領に対し、YPGへの武器援助が決定されたことについてトルコ政府の懸念を伝える予定だ。トルコとアメリカの両大統領はワシントン D.C.で、2か国の関係をはじめとした地域と世界情勢について協議する。この重要会談の最重要テーマは、シリア問題、イスラム国、クルド民主統一党(PYD)、YPGなどのテロ組織に対してどのように戦いを繰り広げていくかということになる。エルドアン大統領は地図を使ってトランプ大統領にシリアの現状について説明したうえで「テロとの戦いにおいて我々は協力する必要がある。しかし、戦略的に協力する立場でありまた同盟国でもあるアメリカが、シリアでテロ組織と協力して行動していることを不快に感じている。シリアでPKK(クルディスタン労働者党;非合法)の手先として活動しているPYDやYPGのようなテロ組織を我々は許さない。テロとの戦いのために国際協調が必要だ」とのメッセージを発する。
■FETÖ問題に関して確かな歩み
エルドアン大統領とトランプ米大統領の間での会談では第一に、対ISのラッカ作戦とFETÖの指導者(=フェトフッラー・ギュレン師)のトルコへの引き渡しが議題に上るだろう。エルドアン大統領は、トルコがFETÖに関してアメリカへ送った文書に言及したうえで、トランプ政権がこの問題について具体的な措置を講じるよう求めるだろう。エルドアン大統領はトランプ大統領に対して「FETÖをトルコに引き渡すか、もしくは裁判にかけてください」と言うだろう。エルドアン・トランプ両大統領は、会談で2か国間の経済関係についても話し合う見込みだ。会談では、2か国間の貿易総額を500億ドルまで引き上げるために何が必要かということが議論される。
エルドアン・トランプ両大統領は直接会談の後、2つの国際サミットで再び一堂に会する予定だ。2人は5月25日、ブリュッセルでのNATO新本部の開設に合わせて行われるサミットに出席する。
■3度目の会合はG-20で
サミットでは、同盟国の国防費引き上げを望んでいるトランプ大統領と他国首脳が一堂に会する初めての国際会議である。エルドアン・トランプ両大統領は、このサミットでも直接会談を行うと見込まれている。NATOサミットでは、テロとの戦いと国防費の引き上げが議題となるであろう。エルドアン・トランプ 両大統領は、ここ3か月間の最後、7月7日~8日にハンブルグで行われるG-20サミットでも会談を行う予定だ。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:42646 )