■アラビア書道におけるエジプト流派の傑作
【カイロ:本紙】
ハーリド・アザブとムハンマド・ハサンが著し、最近アレクサンドリア図書館から出版された『アラビア書道におけるエジプト流派の傑作』という書籍は、様々な文明における書道の起源、特にエジプト書道についての研究を主な目的としている。それ故、「キナーナの地」エジプトに現れた文字の多様性の立証や、異なる時代における文字のスタイルや形の発展の研究が見て取れる。本書は、エジプトにおける文字についての広範な研究や、公用語として、そして輝かしい特色を持つ書道流派発生の基本的な要素としてのアラビア語の普及から書き出されている。
本書は二つの章から構成されている。第一章は、エジプトにおけるアラビア文字の歴史的に顕著な側面と、歴代の国家を通じた様々な発展の過程、書道や文字遺産の規模や多様性について言及している。
第二章では、サイイド・イブラヒームをはじめとする、その書道作品や高い独創性で芸術を豊かにした書道家たちの伝記について述べられている。イブラヒームは、ムウニス・ザーダとその弟子たち以後のエジプト流派第二世代の中で最も重要な書家の一人である。イブラーヒームの役割は、芸術家、そして、アラブとイスラム世界全土で何百人もの書家を指導した師範という地位を超えて、革新者にして推進者の高みに及んでいる。作品中の書の構成にも増して重要な彼の革新は、書籍の表紙を、書道愛好家のみならず貴重品収集家の注目の的となる素晴らしい書道作品へと変化させたことである。彼は、エジプトやアラブの雑誌や新聞のタイトルを書く書家としても名声を博した。当時最も広く普及していたイスラム系の雑誌『イスラム』と共に配布されたコーランの章句のカラー作品を書いていた。
(後略)
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( 翻訳者:増田瑞紀 )
( 記事ID:42653 )