イスタンブル水没!、40年来最大降雨
2017年07月18日付 Hurriyet 紙


イスタンブルでは昨日湖のようになった。コップがあふれかえったように雨が降った。朝通勤ラッシュ滞を直撃した雨は、日常生活に支障をきたした。何百万ドルものお金をかけて作られたメトロ、メトロバス、トラムバイ、テュネルでは水があふれた。12時まで91㎏/1㎡の雨が降った。これもここ106年で最も降った3番目の夏雨となった。スィリブリでは128㎏/1㎡の雨で、1985年10月以来最大の降水量を記録した。

イスタンブルで前の晩から始まった土砂降りの雨は次の日の朝7時以降に影響を及ぼし始めた。雨によって交通機関は止まってしまった。道路にあふれかえってしまった水によって車が進まず、多くの車が止まってしまった。交差点と陸橋は水によって交通止めになり、一部のメトロバスでは浸水が起こり、メトロ、メトロバスとトラムバイでは水が氾濫した。

道路では多くの車がそのまま残され、車両を引く業者の人々が大変忙しくなった。街での交通問題以外にも多くの職場、バザール、オフィス街で水が溢れた。土砂降りの雨は、道路沿いの木や電柱をも倒した。

■空の便にも影響

イスタンブル上空でCB雲(積乱雲)と呼ばれる電気を帯びた雲が多く発生し、パイロットを困らせた。アタテュルク空港に降りれない飛行機は上空でとどまることを余儀なくされた。燃料が少なくなった飛行機は他の空港に送られた。

■32年で最も雨が降った

イスタンブルで昨日降った雨は7月の平均降水量である32.5㎏を大きく引き離した。イスタンブルで1985年10月16日は125.5㎏ふり、それまで 「最も雨が降った」日であった。DHAの気象測定局の情報によると、昨日半日で、スィリブリで128㎏の雨が降った。

イスタンブルの一部地域で1㎡当たりの降水量は以下のようである。ウスキュダル108、ベイコズ85、サルイェル80kg。クルクラーレリ・ババエスキ 107.3、リュレブルガズ64.7、テキルダー・チョルル77、スレイマンパシャ67、ハイラボル65、マルカラ62㎏の降水量を記録した。

■皆の協力をもって乗り越える

イスタンブル広域市(IBB)市長カーディル・トプバシュ氏は、「我々の心配事は以下である。土はもう水を吸収できないため、溢れた雨は低い場所に、くぼみのあるところへ、海の近い方へ下る。皆の協力をもって、この問題を乗り越えよう。思い出せば、何年も前ロンドンの地下鉄で水が溢れたことがあった。一つ言えるのは、誰の命も奪われなかったことは本当に喜ばしいことである、ということだ」と述べた。

■トラキア地方でも影響

クルクラーレリのババエスキ郡の家40棟、20の職場で浸水が起こった。土砂降りの雨は、エディルネ、テキルダー、チャナッカレ、バルケシルで生活に悪影響を及ぼした。

■106年で最も降水量の多い3回目の夏の雨

ボアズィチ大学カンディッリ気象台・地震研究所のアディル・テク所長は、災害へと転じたこの雨について以下のように述べた。「12:00まで91㎏/1㎡の雨が降り、この記録は過去106年で最も降水量の多い3番目の夏の雨である。気候変動による雨の不規則さが極端となって現れた。北から入ってきた涼しい空気と温かい海水が合わさると、『スーパーセル』と呼ばれる現象が起こり、これが大雨の原因となるのである。」

■大洪水でのコンクリートの影響

環境技術者協会のバラン・ボズオール会長は、イスタンブルの洪水被害には過度のコンクリート化と緑地の減少が関係していると述べる。ボズオール会長は以下のように続けた。

「海岸の街では過度の天候による被害が起こるという注意喚起にもかかわらず、トルコでは危機管理がされていなかった。我々はリスクではなく、災害管理に努めている。大雨の前には下水や排水口の接続点をきれいにしなければならない。しかし見てわかるように、イスタンブルではこの準備がされなかった。下水から流れる汚水が街中へ流れた。雨が降った時に水を貯えることができる緑地と土が必要である。街の中心で土と緑地が減れば減るほど、洪水の被害はそれだけ大きくなるのである。このため今回は、洪水であふれた水は土ではなく家に、メトロに、会社に流れてしまったのである。」

■グリーンピース:気候変動は止められなければならない

グリーンピース地中海キャンペーン責任者オズギュル・ギュルビュズ氏は、洪水現象を地球的な気候変動と結びつけた。気候変動が止まらなければ、この状況は今後より多くみられることとなるとするギュルビュズ氏は、「科学的研究は、気候変動が洪水、干ばつ、霜、嵐など過度の気候現象の数、そしてその深刻さを増していると明らかにしている」と述べた。

■身長160㎝以下は外に出るな

イスタンブルとその周辺で起きた洪水は、ソーシャルメディアでもトップニュースとなった。以下はソーシャルメディアでシェアされたものいくつかである…。

-ハベルチュルク気象学専門家:身長160㎝以下の者は外出しないことをお勧めする。
-ナイアガラの滝であればよいが、ここは朝のガイレッテペ駅なのだ!
-運転手さん、ここからカドゥキョイまで
-メトロバスを待ってて、IDO(海上バス)がやってくる
-メトロバスさえプールにしたみたいだ。これ以上何の不満があろうか!
-イスタンブル県知事府から「傘の必要はない、水着を忘れるな」との勧告がでた
-現在、メジディエキョイまで、泳いで30分
-今週のイスタンブルでのサバイバー(テレビ番組名)は誰が勝つ?

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( 翻訳者:内山千尋 )
( 記事ID:43008 )