ボドルムで地震
2017年07月20日付 Hurriyet 紙
恐怖で外で寝る人々
恐怖で外で寝る人々

エーゲ海でマグニチュード6.6の地震が発生し、特にボドルムとダッチャでは大きなパニックが発生した。両郡では特に、パニックのために逃げようとしたおよそ90人が軽傷を負った。最初の地震の後、90回以上の余震が観測されている。市民や観光客は外で夜を明かした。通りやビーチ、ホテルのプールサイドで寝ようとする人もいた。林業治水省のヴェイセル・エルオール大臣は「神のご加護があり、死者はいなかった。いかなる物的な損害も確認されていない」と述べた。ムーラ県のエセンギュル・ジヴェレキ知事は、ボドルムでは地震による大きな損害は出ず、古い建物に小さなひびが入った程度だったと述べた。

1時31分、ギョコヴァ湾を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生した。震源の深さは7.8キロメートルと計測されている。この地震の後、主にエー ゲ海とギョコヴァ湾を震源とする余震が数多く発生している。1時37分から6時13分にかけて、マグニチュード3~4.6の間で合わせて40回の余震が発生した。朝にかけて余震の発生回数は90回を数えた。

地震の影響は、特にボドルムとダッチャで顕著だった。パニックのため逃げようとした際に負傷したおよそ90人の市民が病院で診察を受けた。

地震の後、市民や観光客は外で夜を明かした。ビーチやカフェの庭、海水浴場、ビーチチェアで朝を迎える人もいた。日の出とともに被害の全容が明らかになっている。波が車を引き倒し、船舶が転覆している様子が見られる。

■林業治水省の発表

林業治水省のヴェイセル・エルオール大臣はイスタンブルで記者会見に臨み、ムーラ県のギョコヴァ湾を震源とするマグニチュード6.6の地震に関する情報を発表した。エルオール大臣は「残念ながら本日、ボドルム、コス島付近で地震が発生した。先ほどムーラ県知事と会談した。神のご加護があり、死者は出なかった。いかなる物的な損害も問題ではない。ボドルム市営の港に停泊していたいくつかの船舶は水位が上がると、その船も実際には廃船のようなものだったらしい。このような被害があった。その他には目立った被害はなかった。神のご加護に感謝している」と述べた。エルオール大臣は、コス島で地震による死者が出たことに哀悼の意を表し、負傷者に対しても見舞いの言葉を述べた。

■今朝の発表

エーゲ海のギョコヴァ湾で発生したマグニチュード6.6の地震では、ムーラ県ボドルム市で最大の揺れを感じた。同市では、夜明けとともにジヴェレキ知事と災害緊急時対策庁(AFAD)のハリス・ビデン長官、ボドルム郡長のベキル・ユルマズ、それにボドルム市のメフメト・コジャドン市長が調査に立ち合った。ジヴェレキ知事はまずボドルム国立病院へ赴き、病院内の庭と救急患者を訪問し、負傷者の容体について医師に尋ねた。その後ジヴェレキ知事はギュンベト地区で調査を行い、記者会見で夜に発生した地震ではボドルムで最大の揺れを感じ、そのために現地で調査をしていると述べた。

ジヴェレキ知事は、県内で地震による死者が出なかったと強調し「我々の調査の結果、ボドルムでは大きな被害は見られず、古い建物に小さなひびが入った程度だと確認した」と述べた。知事はボドルム国立病院で中2階が崩落したと述べたうえで、専門家が調査を行った結果、病院で負傷者を受け入れていると述べた。

ジヴェレキ知事は、ムーラ県にある救急センターでは、地震の直後から災害対策窓口が設置されたと説明したうえで、副知事をトップとした災害対策室を通じて県全体の作業を調整していると述べた。

■地震のエネルギーは放出された

AFADのビデン長官は、組織として必要な厳戒態勢をとっていると述べた。ビデン長官は、危険な状態はないと強調したうえで以下のように述べた。

「地元の市民も外国人観光客も、安心してボドルムでの休日を過ごすことができる。専門家からの情報によると、この地で起こりうる地震の規模は最大でもこの程度だ。余震も発生しているが、これはエネルギーが減退しているという意味だ。現在建っている頑丈な建造物は、限定された形で使用できる。今のところ、ムーラ県内では死者や建物の崩壊は発生していない。この観光都市で、生活が一刻も早く正常な形に戻ることを待ち望んでいる。」

コジャドン市長は、ボドルムでこのような規模の地震が発生するのは初めてだと強調した。市長は、初めにパニックが起こるのももっともだと述べたうえで 「私も同じようにパニックに陥った。幸いにも、人命や物質面での損害はなかった。建物の崩壊は全くなかった。このことも、ボドルムがどれほど安全な場所であるかを再確認させてくれた」と述べた。

コジャドン市長は、ボドルムへの訪問客が引き続きボドルムで休日を過ごし、休日を楽しむように勧めたうえで「皆さんがボドルムから離れないよう望んでいる。なぜなら今のところ、ボドルムより安全な場所はないからだ。この証拠は、先の地震で共に経験しただろう」と述べた。

■ムーラ市長「死者はいない。壁が崩壊し、変電所で火災」

ムーラ広域都市のオスマン・ギュリュン市長は昨夜、以下のように述べた。
「現在のところ、我々の調査隊が巡回している。激しい地震が長時間続いた。死者はいなかった。わずかな壁のひび割れがあったという知らせを受けている。悲しいことに、このパニックで高いところや窓から飛び降りた人がいた。彼らが病院に搬送されたという知らせも受けている。変電所火災、郊外の火災といった小規模なものはあった。 すぐに消火作業が行われた。これまでの情報では、セイディケメルからボドルムにかけての13の郡で死者は確認されていない。建物の大規模な破壊も確認されていない。ただ壁が崩れたのみだ。村々からも情報が寄せられている。家屋の崩壊はあるが全壊ではなく、古く劣化したレンガ造りの壁が崩壊したのみだ。

■70人が負傷

ボドルムのベキル・ユルマズ郡長は以下のように述べた。

「死者や重傷を負った人がいなかったのは喜ばしいことだ。揺れによるパニックで飛び降りて怪我を負った人がいた。このような地震ではよくあることだ。大きな揺れにもかかわらず、いくつかの家にひびが入ったのみだった。いかなる被害もなかった。この大きな揺れにおいて、この県の建物は高くて地上2階建てであったために大きな被害が抑えられた。村落地域では、特に日干しレンガ造りの古い家々から避難している人々がいる。ギュンベト地区では高波による水害が発生した。いくつかの船が被害を受けた。病院には約70人の怪我人が治療に訪れた。国立病院では患者の搬送に特に問題は起きていないが、吊屋根のプラスチック部分が壊れている。このことも病院における不安感の要因となっている。患者を病院の庭へと出した。技術チームが病院内の調査を行う予定だ。この調査が終わるまで、患者の治療は病院の庭で続けられる。また、ボドルムからコスに派遣されているフェリー便も中止されている。」

イズミル、ムーラ、アイドゥン、デニズリ、マニサなどエーゲ海沿岸地方の多くの県で、この地震の揺れが感じられた。この地震のために通りへ避難した人々は、心配のために家に戻っていない。また、ボドルムで多くの建物や国立病院の救急外来の壁がひび割れしているということが明らかになっている。このため、救急外来の患者は病院の庭に移された。ボドルムの変電所で起きた被害のため、多くの地域で停電が発生しており、また同地方での膨大な通信量を処理できないため、電話回線に不調が発生しているとも伝えられている。ギュンベトでは高波が海岸を襲った。

■ボドルムで交通渋滞

地震の後に起こったパニックにより、多くの観光客がボドルムを離れるため車で出発した。このことによって、ボドルムでは短時間で渋滞が発生した。

■帰宅する者はいない

地震の後、ボドルム在住の人々や観光客は、道路や公園で夜を明かした。地震の直後、ギュンベト地区のインジェブルンで津波が観測され、12の船舶と5の漁船が陸に打ち上げられ、数十件の家々や職場が浸水した。メティン・ケスタネジ船長(40)は当時の状況をこう語る。「私は船長だ。船内で寝ていたところ、初めに大きな音を、その後に衝撃を感じた。何が起きたのかわからないうちに、船は陸に打ち上げられた。気が付けば私は船と共に陸にいた。このような光景は見たことがない。」

■「ボドルムから人がいなくなったと言われるが、間違いだ」

ボドルム・プロフェッショナルホテル運営者組合のセルダル・カルジュルオール会長は会見で「地震のせいでボドルムから人がいなくなったと言われているが、 これは全くの間違いだ。我々の客はホテルで休日を楽しみ続けており、希望者のみが庭で寝泊まりできるようにした。そう、不安にはなったが、ボドルムの観光客がいなくなるというようなことはない。このような噂は事実ではなく、また観光業にも大きな被害をもたらす」と述べた。

■Facebookで安否確認ボタン

Facebookは、ボドルムで発生した強い地震の後「安否確認ボタン」の適用を開始した。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:43026 )