■癌や心臓病の治療薬:ヨーロッパやアラブ地域17カ国の市場でエジプト産のコブラやサソリが大人気
[本紙:イブラーヒーム・アザブ]
コブラとサソリはエジプトで最も有名な爬虫類の一つだ。その毒は世界17カ国の市場と科学調査センターに出回っている。この毒は、医薬品の開発用に利用されるだけでなく、中国や東南アジアに住む人々の間では、癌や心臓病を治療する際に体の免疫系を高める滋養強壮剤として飲まれている。
ギザにある動物園の陸上動物管理者であるラージー・ファフリー・トーマー氏は昨年、科学調査と医薬品の製造用に毒を抽出することを目的とし、4千匹の毒蛇とサソリを17カ国以上に送ったと語る。加えて、8千匹のトカゲと7千匹のヤモリが、一般的な航空法が定める国際規定に基づいて、専用カーゴで輸送されたと語る。
また、ギザのアブー・ラワーシュ地区でこれら爬虫類の飼育と供給をする一人、サイード・タルバ氏によれば、中国や東南アジアに住む一部の人々は、コブラを頭から10センチ、肛門から10センチのところで切断し、弱火で焼いて食べるという。これは、毒を摂取しすぎないための調理法であり、癌や心臓病に抵抗する免疫力を高めるために食べるという。また同氏は、これらの爬虫類はエジプトの地域環境、特にシナイ半島の砂漠、メルサ・マトルーフ県、スエズ県、西方砂漠中で多数生息しており、これらの地域で狩猟と生育が行われていると付言した。昆虫やネズミが餌として与えられ、コブラは一匹40ドル、有毒の黒サソリは一匹20ドルと世界的にも高い値段がつけられている。一方、研究用の毒を持たない蛇の値段は5~10ドルの間となっている。また20種類ほどあるヤモリは、科学調査用に大容量で1~5ドルあたりで売られている。これらの爬虫類を最も輸入している国にはフランス、中国、インド、韓国、イギリス、多数のアラブ諸国が含まれる。
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( 翻訳者:庭野悠汰 )
( 記事ID:43047 )