EUと政治対話会談実現ー対話はあるが、前進なし
2017年07月25日付 Hurriyet 紙


欧州連合(EU)とトルコは、5月25日にエルドアン大統領がEUの諸機関の首脳と行った会談後の最高レベルの会合を大臣級の政治対話会談として実現させた。両陣営の間にある深刻な問題にも関わらず対話のルートをオープンに保つという点で重要性を帯びた会合に具体的な前進の兆しはなかった。会合は、アンカラとブリュッセルの主要な問題に関する姿勢がプロセスを前進させる肯定的な結果を得られるほど一致しなかったことを示した。

フェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表とヨハネス・ハーン拡大担当委員によって代表されるEUは、クーデター未遂から今まで法の支配と人権の問題について最も明確なメッセージの一つを発信し、「言葉よりも行動に」重きを置くことを示した。メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣とオメル・ チェリキEU担当大臣が代表したトルコは、「理解し合えなかった」ことに不満をもらし、EUに責務を順守するよう呼びかけた。

■候補と戦略的パートナーの強調

モゲリーニ氏は、会談後の共同記者会見で、トルコにおける一連の逮捕を引き合いにだして連携と対話が具体的なステップによって支援される必要があると指摘し、「安全で、経済分野で活発で、民主的なトルコとと協同したいという希望は継続している」と話した。外交交渉の中断に対する発言に向けて、「トルコは加盟候補国であり、候補であり続ける」という表現を用い、近年、戦略的パートナーシップの占める割合が候補国の割合を上回っていると述べるモゲリーニ氏は、「トルコは候補国であると同時に、EUにとって戦略的パートナー」であると話した。

チャヴシュオール外相は、政権に就いた日から現在まで出された法案のどれ一つとして「後退」はなかったと強調し、「我々はテロ組織と闘っている。クーデター未遂に見舞われた。EUからも十分な支援は見られなかった」と語った。チャヴシュオール外相は、問題を乗り越えるために交渉相手と解決に努めたと表現し、「これから先のプロセスで私たちの関係が正常化し、過去のものよりもさらに良い点に到達するよう願います。これが最大の願いです」と話した。

■ハーン氏が怒らせた

ハーン氏が、難民危機に重点を置いた3月18日合意に関連して、「この合意は2016年のものだったが、その後にクーデター未遂が発生した」と言って加盟国が現行の条件下で交渉を再開するのは不可能であると決定したことを引き合いに出したことは緊張を高めた。

チャヴシュオール外相は、「それなら署名すべきではない。そうしたら私はあなたをどう信頼できるでしょうか。私たちがトルコ共和国として何かに署名する場合には、難民合意同様に、その責務を果たします。私たちの認識はこうです」と話した。チェリキ大臣も、「私たちとの間で調印された協定は風向きや環境の変化によって変わることはない」という表現を用いた。モゲリーニ氏は記者会見の最後に、「我々が調印した協定には敬意を払う。もしブリュッセルで状況に応じて考えを変えていれば深刻な問題が発生しただろう」と話した。

■「新聞記者をスパイとして利用している」

チャヴシュオール外相は、トルコで一人は新聞記者、もう一人は活動家である二人のドイツ人がテロ支援の容疑で逮捕されたためにベルリンとの間で起こった危機に関するある質問に、以下のような返答をした。

「最近の流行はこれだ。新聞記者たちをスパイとして使い、捕まえられれば、とにかく大騒ぎになって、圧力をトルコにかける。アムネスティ・インターナショナルは世界的に信頼できる組織である。しかし客観的かつバランスがとれていなければならない。この組織のトップにいる人物はByLockプログラムを使用したらしい。フェトフッラー・テロ組織(FETÖ)がやってきてアムネスティ・インターナショナ ルはトルコに手をかけた。私たちはアムネスティ・インターナショナルといかなる問題も抱えていない。EUは、これらをテロ組織とみなしていないために、彼らに対して私たちが講じた対策を人権侵害とみなしている。」

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:43060 )