国民教育省、シリアでの教育をイマーム・ハティプ校に「下請け」
2017年08月05日付 Cumhuriyet 紙
「ユーフラテスの盾」作戦ののち、ISから解放され、自由シリア軍戦士のコントロール下に入ったアアザーズ、マレ、ソラン、アクタリン、チョバンベイ地域における教育活動をトルコの国民教育省(MEB)が担当することになった。当該地域のMEB関係者によると、長期間ISの弾圧下にあった人々と子供たちへの解決策は、イマーム・ハティプ校に求められる。
「ユーフラテスの盾」作戦ののち、シリア北部でISから解放され、自由シリア軍戦士のコントロール下に入ったアアザーズ、マレ、ソラン、アクタリン、チョバンベイ地域での教育活動をトルコの国民教育省(MEB)が担当する。同省は、約6万5千人の子供たちへ教育が行われているこれらの地域で、倒壊した学校の修理や新築に当たっている。また、トルコ国内同様、İHH、デニズ・フェネリ協会、ハイラト財団のような宗教財団の力を借りるという。
自由シリア軍とトルコ軍が行っている「ユーフラテスの盾」作戦の一貫としてシリア北部で、ISから解放された地域の子供たちの教育はトルコ国民教育省が担当する。シリア国境近くのトルコ側の県の国民教育局は、アアザーズ、マレ、ソラン、アクタリン、チョバンベイで戦闘後に残された教育設備を点検し、計画をたてた。その一貫で、この5つの地域の189校で6万112人の学生の教育が始まった。トルコの各県から集められた学校教材もこれらの地域へ送られた。
■「トルコのNGO」
「ユーフラテスの盾」作戦ののち、ISから解放された地域での教育は、トルコでそうであるように、宗教財団や教団と協力して行われる。国境地域の県は、難民キャンプを宗教財団へ開放している。キリス県は、各キャンプで「トルコのNGO」で、İHH、デニズ・フェネリ協会、ハイラト財団のような宗教財団へ教育活動を行わせている。
この地域の学校を指揮しているトルコ国民教育省からの情報によると、アアザーズでは1校は全壊、5校は難民によって占領され、1校はトルコ軍、1校は自由シリア軍兵士の駐屯地として、1校は公共の組織によって使用されている。
トルコ国民教育省の情報によると、難民を学校から立ち退かせるためにテントが564つ必要である。普通教育にアアザーズで必要なものは、243のプレハブの教室である。トルコ国民教育省の調査によると、アアザーズ地域でこのほかに国民教育庁舎、アアザーズ–スッジュ–ヤズバウ村へ4つの教室のある小学校、アアザーズ–ケフェルケル村へ12教室のある小学校が必要とされている。
アアザーズ地域にあるアル=クドゥス高校は大きな損害を受けたため、新しい校舎の建設が必要である。ケフェルケルビンには高校がないので、600人の高校生がアアザーズ中心部にある高校へ行くことを強いられている。
■マレへ700万トルコリラ
マレ地域に関しては、中心部の25の小学校、中学校と高校で教育が続けられている。350人の教師とその他の職員が勤めている学校で6,663人の子供たちが教育を受けている。トルコ国民教育省の調査によると、マレ地域で24校に工事が必要で、このために200万トルコリラの財源が充てられている状況にある。しかし、3校に必要な大規模な工事と新しい4校のためには約500万トルコリラの新しい財源が必要である。トルコ国民教育省の調査によると、マレでは1校が全壊、3校に難民が住んでおり、4校で自由シリア軍の兵士が駐屯し、4校が他の目的のために使用されている。マレ地域では学校が明け渡されるためには、50のプレハブとキャパシティ不足のため10のプレハブの教室が必要とされている。
■イマーム・ハティプ校に解決策
この地域で活動するトルコ国民教育省関係者によると、長期間、ISの弾圧下にあった人々と子供たちのため、イマーム・ハティプ校に解決策を見出したという。調査ののち、トルコ国民教育省関係者は、宗教教育の需要に応えるイマーム・ハティプ中学校と高校の開校のため、専門の職員、学校校舎、宿舎、備品、給食材料、寄宿舎、本、カリキュラムの問題の解決のため、宗教教育総局のもっているノウハウを活用することにしたという。
トルコ国民教育省関係者は、男女別のイマーム・ハティプ高校のため15のテントの学校、もしくはプレハブの学校が必要であるとしている。
■費用はトルコ国民教育省関係者の予算から
これらの地域で業務を行う教師の給料は、トルコ国民教育省関係者の予算から充てられることが決定された。トルコ国民教育省関係者は月に約200万トルコリラの追加の給料の支払いを行ったという。この他、チョバンベイの全域、ソラン北部、アアザーズ北部地域で、学生たちへの暫定的な教育補助として、現金の援助が求められた。
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( 翻訳者:甲斐さゆみ )
( 記事ID:43188 )