世界全体の推定生息数400~600匹とされる地中海モンクアザラシが、アンタルヤ沖で魚を食べているところが目撃された。地中海大学水産品学部准教授のメフメト・ギョクオール博士は、モンクアザラシが漁師にすら近づくと述べ、「決して怖がって危害を加えないように」と述べた。
アンタルヤでボートで観光案内を行うオザン・エルチュルク・シャーヒン(37)氏は、昨日(8月2日)、ドゥデンの滝が海に流れ込む崖周辺で観光客と一緒に海に入った。同氏は、自身の5m先に全長2mの魚を見るや戦慄を覚え、皆で急ぎボートに戻った。最初の衝撃の後、電話を握る観光客は、世界全体の推定生息数が400~600匹の地中海モンクアザラシを撮影し、魚を食べるところを目の当たりにした。
ボート船長のオザン・エルチュルク・シャーヒン氏は、絶滅の危機に瀕しているため保護されている地中海モンクアザラシが、リーフフィッシュを食べるところを目撃した、と話した。同氏は、目撃した地中海モンクアザラシが非常に大きかったと述べ、「海底で数分とどまったあと、浮上してきた。口にリーフフィッシュをくわえ、水面に叩き付けてから食べた。外国人観光客は始めは怖がっていたが、その後、皆興奮して地中海モンクアザラシを携帯電話のカメラで撮影し始めた」と述べた。
■以前見られた地中海モンクアザラシは殺された
地中海大学水産品学部准教授のメフメト・ギョクオール博士は、アンタルヤで個体数10~20とされる地中海モンクアザラシが存在すると述べた。絶滅危惧種である地中海モンクアザラシは、世界全体での推定生息数は400~600頭である。ギョクオール准教授は、このうち4分の3がトルコ・ギリシャ沿岸部に生息すると強調し、「地中海モンクアザラシを誰も怖がらないように、彼らを殺さないように。この種は、世界でも希少種である。以前、アンタルヤの湾岸部にいた地中海モンクアザラシに「かご屋」とニックネームを付けていた。漁師が海に仕掛けた籠を覗いていた。人間に非常に近づく。しかし、我々の警告にも関わらず1週間後に殺されてしまった」と述べた。
■人間の傍まで近付く
ギョクオール准教授は、地中海モンクアザラシが、絶滅危惧種であることに触れ、
「人間の傍まで近づく。漁師の傍にすら近寄る可能性がある。どうか恐れて危害を加えないように。漁師は、網を破るとの理由で地中海モンクアザラシに危害を加えている。国は、この問題に解決策をもたらすことが出来る。地中海モンクアザラシが、我々の生活圏に入ってきたのではなく、我々が、彼らの生活圏に入り込んだのだ」と述べた。
■フォチャの地中海モンクアザラシは、人間が多くていなくなった
ギョクオール准教授は、少し前にイズミール県フォチャで地中海モンクアザラシの研究を行っており、研究を長期に亘って実施したものの、モンクアザラシに遭遇出来なかったと述べた。同准教授は、「フォチャにはいなかった。漁師も見たことがないと言っていた。地中海モンクアザラシは、もともといた場所から離れたのだろう。何故ならば、たくさんの人間が、地中海モンクアザラシの生活圏に侵入してしているからだ。彼ら地中海モンクアザラシの多くは、エーゲ海の静かな島部へと向かった。静かな場所で、魚を追いかけている。どこの湾もボートで溢れており、こうした場所には入らないようにしている。秋にはボートが湾から引き揚げるので、彼らは戻ってくるだろう。11月には赤ちゃんを洞窟で生む。その時、洞窟周辺からは離れないので、地中海モンクアザラシを見るチャンスがある」と話した。
■気を付けて、彼らが殺されないように
地中海モンクアザラシがアンタルヤで見ることができて喜ぶギョクオール准教授は、「いま、アンタルヤには自然が存在する。皆、海に入るように。この動物(地中海モンクアザラシ)を見るだけで、人は興奮する。この点で、我々は、幸せな国にいるのだ。気を付けて、彼らが殺されないように」と話した。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:43221 )