タイイプ・エルドアン大統領の、ドイツのトルコ系有権者に向けた「保守的なドイツ・キリスト教民主同盟(CDU)、社会民主党(SPD)、緑の党へ投票しないよう」という呼びかけは、人々の目をドイツで9月24日に行われる選挙に向けさせた。
ドイツには、約150万人のドイツ国民を含む300万人近いトルコ人が暮らしている。トルコ系有権者の数は125万人近い。2013年の総選挙でトルコ系有権者の64%は社会民主党(SPD)に、12%が緑の党と左翼党に、7%がキリスト教民主同盟(CDU/CSU)に投票した。ドイツの615万人の有権者に対し125万人のトルコ系有権者の票は、現在のアンケートの結果によると選挙結果に影響を与えるような状況にはない。トルコ系有権者の60%が再びSPDに投票しようとしており、SPDの票への貢献は1%程度だ。
■どの政党に投票するか
3政党以外にも、左翼党、自由民主党(FDP)、外国人の敵である政党ドイツ人のための選択肢(AfD)が残っている。トルコ人に向けたBIGとドイツ民主同盟といった政党のポテンシャルは低下している。左翼党は、トルコをエルドアン大統領が言及した3政党以上に強く批判している。自由民主党もあらゆる機会にトルコとの交渉はもはやめるべきだと要求している。AfD党は、イスラムと外国人に反対する政党だ。この党は、西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者PEGIDAに支援されている。4月16日の国民投票でドイツのトルコ系有権者の63.7%が賛成票を投じた。エルドアン大統領のこの呼びかけの後、トルコ系が投票箱でどのような傾向を示すかが懸念されている。ドイツでは10人のトルコ系国会議員が国会にいる。うち5人はSPDだ。緑の党にはジェム・オズデミル共同党首とともに3人の国会議員が職務についている。左翼党には2人、キリスト教民主同盟内の西トラキアのトルコ系出身のジェミレ・ユスフ議員がいる。ユスフ議員は、CDUで最初のトルコ人議員だ。
■各党からの反発
ドイツでは、メルケル首相(CDU)とジグマール・ガブリエル外相(SPD)が、トルコ系有権者を怒らせないようトルコに向けた批判がドイツのトルコ系を標的としていないことをあらゆる機会に強調していた。しかしエルドアン大統領の先日の呼びかけにメルケル首相から「トルコからのあらゆる介入を許さない」と反発が示され、ガブリエル外相もトルコ出身の有権者に対し投票に向かい、民主的な政党に投票するよう呼びかけた。緑の党のリスト筆頭の候補者ジェム・オズデミル議員は外国人に反対するドイツのための選択肢(AfD)に言及し、「AfDがエルドアンのリストになかったことはおもしろい。これは彼らのイデオロギーとエルドアンの間のつながりを示している」と話した。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:43268 )